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大阪のとある地域にある商店街
『えぇもんストリート』
昔から馴染みのある商店が軒を並べている。
俺は、この商店街に育ててもらったようなものだ。
神ちゃんと喧嘩して、ボロボロになって帰ってきた時には、タバコ屋の田中のおばちゃんが急いで救急箱を持ってきて処置してくれた。元看護師だったそうで。
神ちゃんがグレている時期、身を呈して神ちゃんを指導してくれたのは学校の先生でもなく、親でもなく、畳屋の鈴木のおっちゃんだった。神ちゃんが手を出しても、怒りもせず、真っ直ぐに指導していた。
俺と神ちゃんと、あいつ…(人1)が受験の時、支えてくれたのは、この『えぇもんストリート』の、みんなだった。
夜食を作ってくれたり、勉強を教えてくれたり。
受験当日なんて、『神山智洋!重岡大毅!桐山(人1)!かましてきたれ!!!えぇもんストリート一同は応援しとるぞ!!』でかでかと書かれたその旗を持って、見送ってくれたっけ。
合格通知書を見せた途端、胴上げされた。
あの感覚は、今でも忘れない。ずっと、忘れない。
そんな人情味溢れるこの商店街が、人々が、俺は大好きだ。
小さい頃から一緒にいる神ちゃんも、大好き。決して口にはしないけれど。
桐山(人1)、あいつも…大好き。
でも、あいつへの“好き”は、みんなへの“好き”とは、少し……違う。
「ああ、なんで俺は素直になれないんだっ…!」
「…鈴木のおっちゃん。今大事なプロローグ」
「すんまへん」
…仕切り直して。
(人1)を想って、10年目の夏。
今夏こそ、あいつに想いを伝える。
もう、逃げない。
これは、シャイな男の子が今夏大健闘する、
甘酸っぱくて、少し面白い、青春ラブコメストーリー ________
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作者名:スバル | 作成日時:2018年7月11日 18時