話したい事 聞きたい事 ページ6
そんな生活を続けて数日。
ある朝、カミサマがみんなの前に立った。
「今日は皆にお願いがあるんだ」
何だろう、カミサマがお願いするなんてなんだか可笑しい心地がした。
「僕と、1対1で話をさせてほしい。…無理にとは言わないよ、怖かったら誰かと一緒に話をさせてもらっても構わない」
つまり、面談をしたいんだ。
そう言うとカミサマはトモダチ皆に頭を下げた。
トモダチはその真剣な面持ちに首を傾げたが、迷わずカミサマに駆け寄っていく。
ワタシも。
その様子を見たカミサマは、メルシー･ボク と柔らかく、嬉しそうに言った。
憂いを感じる表情をしていた。でも白い羽根が舞うような神々しさを感じるものだった。
カミサマは1人、また1人と別の部屋に移動しては話をしていった。
ワタシの番はまだこない。26人もいるから長引くのは仕方ないけど、暇だ、そう思った。
こんな気持ちはいつぶりだろうか。とても久々に、心待ちにしているワタシが居ることに気が付いた。
誰かとこんな風に話す事はもうずっとしていない。それもカミサマと対面できるなんて。
今か今かと待つ。次かもしれない、そう思うと心臓がドキドキしてきた。
それなのにまだ呼んでくれないでいる。
もしかしてワタシの事忘れてるんじゃないだろうか。
そうだったら期待してる分だけ流石にちょっと傷付いてしまう。
「じゃあ、行こうか」
カミサマはにっこり笑うと25人目のトモダチと部屋を出てしまった。
はぁ。次呼ばれなかったらどうしよう。
ころんと横に寝転ぶと天井が見えた。
陽の光が窓から差し掛かり、木で出来た家は呼吸している様に空気が冴えており、床は暖かみを感じる。
トモダチが歩くと体に振動として伝わってくる。
何も考えずに身を委ねた。
やがて部屋の扉が開く。大きい足音が、ワタシに近づいて来るのを全身で感じた。
「お待たせしたね、……待ちくたびれて眠ってしまったかな？」
嬉しい！ワタシを覚えてくれていた。
でも、飛び起きたいほどなのに、何故かワタシは動かず、眠ったフリをしてしまった。
なんだか勿体無い気がして。
少しワタシを見下ろすと、カミサマはワタシを抱き上げてくれた。
どうするんだろうと思ってたら、ワタシをソファーに横たわらせ、膝掛けをふわりとかける。
カミサマは隣に座り、トモダチを眺めてニコニコしていた。
トモダチの笑い声 カミサマの笑い声 温もりのある家
その居心地の良さに、ワタシは本当に眠ってしまったのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルーイヒ・シュヴァルツ(プロフ) - ペネロッペさん» わああーいありがとうございます！！ルパパトですよ！これから皆と絡めていきます(*^^*)需要あるかなぁと思いながら書いてたのでそうコメントして頂けて嬉しいです！よろしくお願いします(*´ω｀*) (2022年5月8日 12時) (
レス) id: b456d1d053 (このIDを非表示/違反報告)
ペネロッペ(プロフ) - え、題名見て読んだんですけどもしかして、ルパンレンジャーですよね！？ 私ルパパト大好きなんです！ 更新応援しています！ (2022年5月7日 22時) (レス) @page4 id: 5e59b20b17 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルーイヒ・シュヴァルツ | 作成日時：2022年5月6日 23時
