【手下】くらげの話【マルフィ】

35話目 ページ41

…それにしても、私へのカメラ集中率高くない？

そんなに新しいリクルーターが珍しいのだろうか。


どうせ暇だし人間とコミュニケーションをとってみようと思い、話しかけてみた。


『そこのお嬢さん。』

ゲスト1｢ぇ、え、私ですか？｣

ゲスト2｢うわうわヤバいかわいい〜！｣

ゲスト3｢顔綺麗！！美人すぎ！！｣

ゲスト4｢きゃー！やばい！｣


…話しかけただけなのにすごいな。

生憎私は聖徳太子ではないので全ての質問に答えることはできない。

そのため最初に話しかけた人に続けて会話を試みた。


『えぇ。そのずっと構えている四角いペラペラのものは携帯ですか？』

ゲスト1｢そ、そうです。スマートフォンって言って、タッチパネルの…。あの、あなたは携帯を知っているんですか？｣

『利口な電話？なるほど、携帯の新たな形なのですね。…携帯は存じております。昔の記憶ではありますが。
教えてくれてありがとうございます、ハッピーハロウィン！』


口を滑らせて人間であることを言いそうになったが、今はその時ではない。

感謝を述べて礼をすると、またもや悲鳴。

一体なんなんだ。



ちょうどのタイミングでジョーが私を呼びに来た。

どうやらもう口上を述べるようだ。



先にジョーが口上を述べて、それから私。

緊張のせいかジョーの口上がほとんど頭に入ってこなかった。

ただ口上の最後に私のことを少し紹介してくれたようだ。




スキャターさんが私の紹介をして、前に行くように促してくれた。



マイクの前に立って、小さく息を吐いた。



『…人間様方、お初にお目にかかります。
わたくし、クラゲのAと申します。
先輩であるエイトフットのジョーが前回は収穫ゼロであったということで、アースラ様の御命令により馳せ参じました。
皆様とこれからより親しくなれますよう、このポーズをお教えさせていただきます。』


よしよし完璧。


『わたくしのポーズは右手を左胸に当てて、アースラ様に忠誠を誓う気持ちで。
左手はクラゲのようにふわっとスカートに添えるのです。…あぁ、スカートではない方は少し難しいかもしれませんね、無理はなさらぬように。
さぁ一緒にやってみましょう、せーのっ！』


ポーズキメたらキランッていう効果音がするの楽しいな。


スキャター｢初めてのポーズのお披露目、ありがとうございました！
Aさんのポーズしっかり覚えてくださいね〜！｣

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