16話目 ページ20
朝食後はハーデスさんとは別れ、私とエイトフットは1度部屋に戻ることにした。
『ジョー、私になにか言うことない?』
エイト「ん?なんだぁ?全く心当たりがない。」
『し・ご・と!溜めてるよね。
…私ってそんなに頼りない?書類整理くらい私だってできる。私が休むんならジョーはもっと休まなきゃダメだよ。』
エイト「はぁ〜…。あのな、お前は優しすぎるんだよ。ヴィランズなら仕事なんて他人に押し付けときゃいいんだよ。」
『それそっくりそのままお返しするけど。』
少しの沈黙。
そのあと、どちらともなく笑いが込み上げた。
くふふっという笑い声が洩れて、朝の廊下で大爆笑した。
だってお互いブーメラン過ぎる。
『はーっ、笑った笑った。』
エイト「ほんとな、俺らおかしいよな。」
『おかしくないとヴィランズなんてなれないよ。
じゃ、書類半分ちょーだいね。
押し付ける相手がいないなら、半分こするしかないでしょ?』
エイト「ふっ…そうだよなぁ」
こうして私達はまた仕事を分け合うのだ。
いつものことなんだけどね。
・・・・・・・・・・・・・・
ジョーに書類を半分もらって、時間が来るまでは各自の部屋で書類整理をすることになった。
ジョーは私に優しすぎると言ったが、ジョーの方が何倍も優しい。
何も知らない私に何から何まで教えてくれて、海の中に中々慣れられずにいた私の傍にずっと居てくれた。
でも多分、ヴィランズにだって優しさはある。
方向性が違うってだけで、どうして敵にならなくてはいけないのだろう。
私たちからすれば、世間一般の正義は悪なのに。
『考えたってしょうがないんだよなぁ…。』
考えるよりまずは目の前の書類だ。
契約関連の書類が多いのか。
どいつもこいつも欲望がごっつい。
なんだよ「猫になりたい」って。これ人間か。
来世に期待しとけよ、私みたいに。
それに「鱗を増やしたい」?これは人魚か?
鱗の数ってそんな気になる?
「恋を叶えたい」
…これはよく聞くよね、私にはあんまりわかんないけど。
人間の時に恋とかしとけばよかったなぁ。とか思わなくもない。
それからたくさんの人やら魚やら鳥やらの契約希望の書類を確認し、不適切なものは切り捨てる。
残った願いを叶えるかどうかはすべてアースラ様の仰せのままに、だ。
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はるまき(プロフ) - 続きが気になる... 更新待ってます! (2022年10月4日 0時) (レス) @page43 id: 7c9c8aed08 (このIDを非表示/違反報告)
猫目石(プロフ) - 続きが、、、、気になる、、、 (2020年9月27日 14時) (レス) id: 5676b10c1c (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 続きが気になる (2020年5月13日 10時) (レス) id: 53f56e15b5 (このIDを非表示/違反報告)
リンネ - いつも更新楽しみに待ってます!これからも頑張って下さい! (2018年12月27日 17時) (レス) id: 679ef415fd (このIDを非表示/違反報告)
悪魔のクリオネ(プロフ) - 与太さん» こんな面倒くさい訂正にも丁寧に答えてくださり、ありがとうございます!ずっと応援しますし、更新待ってますね! (2018年12月12日 20時) (レス) id: 1aaac5e030 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うみ | 作成日時:2018年11月7日 17時