49. オファー ページ49
「それで、…彼女は自分で金色の弾を身体に撃ち込むことで鬼から人間に戻ったということだね。杏寿郎。」
「はい、その通りです。」
ここは藤の花が咲き乱れる産屋敷邸。
ピエロを倒した夜から２日後、俺は産屋敷邸へお館様にご報告にきていた。
「彼女の勇気のおかげで、これから鬼になった者でも助けることが出きる。やっぱり彼女は予言通り、鬼殺隊の運命を変える者となったね。それに…、君が愛する者は彼女だという予言も。」
「はい。」
「杏寿郎の幸せそうな顔を見れて嬉しいよ。」
ふふふとお館様は嬉しそうに笑った。
ピエロを倒したあの夜、Aとお互い気持ちを伝えあい、藤の花咲く宿で情交を結んだ。
そのこともすべて、お館様はお見通しのようで少し照れくさくなった。
「ところで杏寿郎、君に相談があってね。」
なんでしょう、と畳に手をつく。
「会社のプロジェクトで来年の春、新しく学園を立ち上げることになったんだ。中高一貫校なんだけど、そこで生徒達に歴史を教えてみないかい？」
「！」
「表向きは学校の歴史教員、夜は鬼を狩る鬼殺隊として君にきてもらいたいんだ。」
『キメツ学園』という学校のパンフレットを俺の前に差し出してくれた。
「ほかの柱の者達にも声をかけていて、すでに何人か教員として来てもらうんだよ。鬼が現れた今、産屋敷家としても全力で鬼殺隊をバックアップしていきたいんだ。どうかな？杏寿郎。」
心の高ぶった興奮のなか、震えそうになった。
胸がいっぱいになり、言葉を詰まらせた。
涙がこぼれ落ちそうになるのを必死に耐えながら。
「ありがとうございます…、喜んでお請け致します。」
お館様のありがたさに心打たれた。
♤♡◇♧♤♡◇♧
「それで検察官をやめて、夢だった歴史の先生をされるのですね。」
Aが煉獄家の園庭に立つ灯籠を眺めながら言った。
「うむ、そうなるな。」
灯籠にリンの如く燃え輝いていた鬼の火は、ピエロを倒したと同時に消えてしまったので、今は静かに沈黙している。
「楽しみです、煉獄さんの歴史の先生。きっといい先生なんだろうなぁ。」
Aが嬉しそうに微笑む。
「諏訪部さんの証言のおかげでバラバラ殺人事件は終演しましたし、私もトンネル事故の件でクビにもならず、一課に刑事としてもどることができました。鬼になった身体も問題ありません。」
彼女が笑って肩をすくめた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 137人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
favo（ふぁぼ）(プロフ) - 柚葉さん» 柚葉ちゃん！お久しぶりです☆ありがとう〜😆またちょっとずつ書いていくのでよろしくねぇ☆ (2022年12月22日 7時) (
レス) id: 507a9cc00c (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - ふぁぼちゃん、お久しぶりです。完結おめでとうございます。これからも頑張ってね😆 (2022年12月22日 4時) (レス) @page50 id: d20b43a216 (このIDを非表示/違反報告)
favo（ふぁぼ）(プロフ) - チェケラさん» こんばんは！チェケラさん、コメントありがとうございます！わー！大好きって言ってもらえてとっても嬉しいです！ありがとうございます！少しずつの更新で待たせてしまい申し訳ないですが、頑張りますのでどうぞよろしくお願いします！ (2022年12月14日 0時) (レス) id: 507a9cc00c (このIDを非表示/違反報告)
チェケラ - コメント失礼します！ favoさんの小説毎日読ませてもらっています！favoさんの小説とっても大好きです！ これからも連載頑張ってください！ (2022年12月12日 21時) (レス) @page27 id: df31792cbc (このIDを非表示/違反報告)
favo（ふぁぼ）(プロフ) - gn001yukaringoさん» わぁ〜！コメントありがとうございます！とても嬉しくて、また頑張ろうと思えました。ありがとうございます！完結まで頑張りますので、どうぞよろしくお願いします！ (2022年6月16日 20時) (レス) id: 8138f7760d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：favo（ふぁぼ） | 作成日時：2021年10月7日 18時
