44. 是非に及ばず ページ44
「さあ、感動の対面だよ。」
ピエロがそう言うと、Aが襲い掛かかってきた。
「やめろっ、A！」
もともと刑事であるAは身体能力が高い。
だが鬼になったAは一切加減などせず、素早さ、攻撃力は一般男性と比べ物にならないほど強かった。
彼女の攻撃を受けないよう、日輪刀で防御するがだんだん力で後ろへ押しきられる。
これが鬼の力なのか。
鬼にされた者は理性や記憶を失くし、どんな人間をも襲ってしまう。
「ｸﾞｳｱｧｯ！」
Aが俺の首筋にかみついた。
「ぐっ」
彼女の歯は犬歯のように鋭く尖っており、強い痛みを首に感じた。
俺を逃さないよう、彼女の長い爪も、俺の肩と背中に食い込む。
「おいおい、何をしているんだ。早く刀で首を切らなければ、お前が殺されてしまうぞ。」
ピエロが憐れむような目を向けた。
「哀しいなぁ。どうだ、仲間に殺される気分は…。」
「ｸﾞｳｳｳｩ。」
痛みに耐えながら、唸りながら肉を噛み千切ろうとするAの背中に優しく、力強く腕をまわした。
「A、君に信長の話をした夜のことを覚えているか？」
彼女の耳元に近づき、小さくささやく。
「あの時俺は、信長の『是非に及ばず』の言葉の意味は、『善しあしを論じず最後まで戦え』と部下に命じたものという解釈だと考えていた。だが、どうやらそれは違ったようだ。」
彼女の背中にまわした腕に力を込めた。
「A、好きだ。」
Aが、ハッとするように息を飲むのがわかった。
「君と離れて分かった。一緒に過ごしていた時間が、こんなにも俺の心を満たしてくれていたと、今さら気づいた。」
彼女の噛む力が緩む。
「信長が殺される前に言った是非に及ばずと言った真の意味が、今なら『致し方なかった』ものだと分かる気がした。」
Aは噛みつくのをやめて、ゆっくり首筋から離れた。
彼女の瞳には戸惑いの色が映っている。
「俺はお館様に、『鬼殺隊の運命を変える者に恋をするだろう』と予言を言われていたんだ。そしてその者を命に代えてでも守ると誓った。」
「A、君になら殺されてもかまわない。それが運命なら仕方がないと俺は受け入れよう。」
彼女の肩がワナワナと震えている。
「聞こえているか、俺は君が好きだ。」
「君のために俺は命を捧げよう。」
彼女を抱くように引き寄せた。
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favo（ふぁぼ）(プロフ) - 柚葉さん» 柚葉ちゃん！お久しぶりです☆ありがとう〜😆またちょっとずつ書いていくのでよろしくねぇ☆ (2022年12月22日 7時) (
レス) id: 507a9cc00c (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - ふぁぼちゃん、お久しぶりです。完結おめでとうございます。これからも頑張ってね😆 (2022年12月22日 4時) (レス) @page50 id: d20b43a216 (このIDを非表示/違反報告)
favo（ふぁぼ）(プロフ) - チェケラさん» こんばんは！チェケラさん、コメントありがとうございます！わー！大好きって言ってもらえてとっても嬉しいです！ありがとうございます！少しずつの更新で待たせてしまい申し訳ないですが、頑張りますのでどうぞよろしくお願いします！ (2022年12月14日 0時) (レス) id: 507a9cc00c (このIDを非表示/違反報告)
チェケラ - コメント失礼します！ favoさんの小説毎日読ませてもらっています！favoさんの小説とっても大好きです！ これからも連載頑張ってください！ (2022年12月12日 21時) (レス) @page27 id: df31792cbc (このIDを非表示/違反報告)
favo（ふぁぼ）(プロフ) - gn001yukaringoさん» わぁ〜！コメントありがとうございます！とても嬉しくて、また頑張ろうと思えました。ありがとうございます！完結まで頑張りますので、どうぞよろしくお願いします！ (2022年6月16日 20時) (レス) id: 8138f7760d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：favo（ふぁぼ） | 作成日時：2021年10月7日 18時
