43. 衝撃 ページ43
…やはり、首を切っても死なないか。
ピエロの首と身体の境目がきれいに再生していく様子を見ながら考えた。
従来どおり人間が鬼になった場合、首を切れば消滅する。
しかし、現代に出没した鬼は『眷属』という霊体が物質化したものだとお館様が仰っていた。
倒しかたについては、日の光に当てて消滅させるか、鬼の『核』を破壊して消滅させる、とも。
鬼の『核』とは、何なのだろうか。
日輪刀の刃をピエロに向け、間合いを計る。
「もう一度聞く。Aはどこだ。」
低く唸るような声に臆せず、完全に首が治ったピエロは怪しげな微笑みを返した。
「彼女はまだ生きているよ。まだね…。」
そう言うと、客席の照明が消え、ステージに白いスポットライトが当てられた。
「Ladies and Gentlemen！」
ピエロがステージで両手を広げた。
「今宵、紹介するのは世にも珍しい麗しき女性！！それは少女のように純粋でまっすぐな心をもつ彼女の姿にみなも驚くでしょう！！」
狂気を漂わせているピエロの後ろに敷かれていた重い幕が徐々に上へ登っていく。
幕が上がっていくと同時に、己自身の目も大きく見開いていった。
胸を刺されたように、呼吸ができなくなる。
まさか、そんな。
絶望で目の前が真っ暗になった気分だった。
幕から姿を表したのは、まぎれもなくAだ。
しかし彼女から感じるものは、鬼の気配だけだった。
「A…」
ぎろりとこちらを向いた彼女の瞳は青く光り、大型肉食動物のように鋭い目つきだった。
猛獣が威嚇するように「うぅ」とうなり声をあげている。
「どうかな？彼女、鬼になったんだよ。」
ピエロが嬉しそうに話す。
「彼女の父親に変身して、過去の真実を見せたんだ。諏訪部が本当は父親を殺したんだよ。ちなみに廃墟の病院でも、父親に変装して彼女を地下に誘導したのも俺だ。」
なんてことだろう。
「それに…、ふふっ。いつもなら人間を喰ったあと、死んで残った魂を操って鬼の姿に変えていた。でも彼女は特別。すぐに喰いたいのを我慢して生かしたまま鬼にした。なぜだかわかる？」
ピエロが笑いを堪えながら、口元を手で覆った。
「鬼狩りのお前が、鬼になったこいつを殺すとこを見るためだよ！生きたまま鬼になった人間を、お前は退治できるかなぁ？」
ピエロが可笑しそうに嘲笑った。
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favo（ふぁぼ）(プロフ) - 柚葉さん» 柚葉ちゃん！お久しぶりです☆ありがとう〜😆またちょっとずつ書いていくのでよろしくねぇ☆ (2022年12月22日 7時) (
レス) id: 507a9cc00c (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - ふぁぼちゃん、お久しぶりです。完結おめでとうございます。これからも頑張ってね😆 (2022年12月22日 4時) (レス) @page50 id: d20b43a216 (このIDを非表示/違反報告)
favo（ふぁぼ）(プロフ) - チェケラさん» こんばんは！チェケラさん、コメントありがとうございます！わー！大好きって言ってもらえてとっても嬉しいです！ありがとうございます！少しずつの更新で待たせてしまい申し訳ないですが、頑張りますのでどうぞよろしくお願いします！ (2022年12月14日 0時) (レス) id: 507a9cc00c (このIDを非表示/違反報告)
チェケラ - コメント失礼します！ favoさんの小説毎日読ませてもらっています！favoさんの小説とっても大好きです！ これからも連載頑張ってください！ (2022年12月12日 21時) (レス) @page27 id: df31792cbc (このIDを非表示/違反報告)
favo（ふぁぼ）(プロフ) - gn001yukaringoさん» わぁ〜！コメントありがとうございます！とても嬉しくて、また頑張ろうと思えました。ありがとうございます！完結まで頑張りますので、どうぞよろしくお願いします！ (2022年6月16日 20時) (レス) id: 8138f7760d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：favo（ふぁぼ） | 作成日時：2021年10月7日 18時
