24. 特別なモノ ページ24
「なるほど、ピエロの鬼は手を使わずに物を動かすことができると…。」
「はい、超能力のような、物体を落下させたり浮遊させたりと自由に動かすことが可能のようです。」
煉獄さんは、今日出会った鬼の詳細について、産屋敷さんに詳しく話をした。
今まで出会った鬼のなかで桁違いに強いこと。
トンネルで鬼に切りつけられ、車から落ちてしまったが、間一髪で私を守ることができたこと。
「そして廃墟の病院で出会った別の鬼は、首を切ったあと、小さな丸い光の玉が現れ、のちに消えました。」
煉獄さんが説明しながら憂慮する表情を浮かべた。
「その鬼は、以前人間であったものだと思われます。」
えっ?
予期しない彼の言葉に驚愕する。
人間が鬼になってしまったの?
「どのような方法で人間が鬼になったのか、まだ分かりません。ただ、その女性の鬼の顔は、病院でバラバラに殺された女性の顔と同じでした。」
産屋敷さんは黙って聞いている。
「そしてその女性を殺した犯人も、ピエロの鬼と推測されます。もしかすると、100年前のようにまた、原種となる鬼が人間を鬼に変えているのかもしれません。」
由々しき事態だと思った。人を食べてしまう鬼が増えるなんて。どのように一般人を助ければいいのだろう。
ここまで静かに聞いていた産屋敷さんが口を開いた。
「杏寿郎、ありがとう。よく報告してくれた。そのピエロの鬼が人間を鬼に変えているのなら、すぐに止めなければいけない。」
産屋敷さんが立ち上がり、後藤さんを呼ぶ。
すると、後藤さんは黒いベルベット生地の小さな箱を両手に持っていた。
「Aさん。」
「は、はい!」
突然、産屋敷さんに呼ばれて背筋を伸ばす。
「これは、私のところで特別に作られたモノです。」
そう言って後藤さんが黒い箱を開くと、金色に光る拳銃の弾が5つあった。
「これって…。」
「これは、鬼を切る日輪刀と同じ成分の石で作られた弾です。5つしかありませんが、あなたの携帯している銃で撃つことができます。もし鬼に襲われたときのために、持っていてください。」
私は、後藤さんから箱を受け取ると、金色に光る弾がキラリと輝いた。
「ありがとうございます。」
つかさず産屋敷さんにお礼を言うと、彼は穏やかな笑顔を見せた。
「今日は疲れたでしょう。今夜はふたり、うちで休んでいくといい。」
そう言って微笑んだ。
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favo(ふぁぼ)(プロフ) - 柚葉さん» 柚葉ちゃん!お久しぶりです☆ありがとう〜😆またちょっとずつ書いていくのでよろしくねぇ☆ (2022年12月22日 7時) (レス) id: 507a9cc00c (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - ふぁぼちゃん、お久しぶりです。完結おめでとうございます。これからも頑張ってね😆 (2022年12月22日 4時) (レス) @page50 id: d20b43a216 (このIDを非表示/違反報告)
favo(ふぁぼ)(プロフ) - チェケラさん» こんばんは!チェケラさん、コメントありがとうございます!わー!大好きって言ってもらえてとっても嬉しいです!ありがとうございます!少しずつの更新で待たせてしまい申し訳ないですが、頑張りますのでどうぞよろしくお願いします! (2022年12月14日 0時) (レス) id: 507a9cc00c (このIDを非表示/違反報告)
チェケラ - コメント失礼します! favoさんの小説毎日読ませてもらっています!favoさんの小説とっても大好きです! これからも連載頑張ってください! (2022年12月12日 21時) (レス) @page27 id: df31792cbc (このIDを非表示/違反報告)
favo(ふぁぼ)(プロフ) - gn001yukaringoさん» わぁ〜!コメントありがとうございます!とても嬉しくて、また頑張ろうと思えました。ありがとうございます!完結まで頑張りますので、どうぞよろしくお願いします! (2022年6月16日 20時) (レス) id: 8138f7760d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:favo(ふぁぼ) | 作成日時:2021年10月7日 18時