22. 小さな子 ページ22
私は後藤さんの後を付いていきながら、お屋敷を歩いた。
伝統的な日本家屋で、木の良い香りがする。
襖が閉められたたくさんの部屋の前を通り、案内された部屋は屏風が美しく飾られた畳間の部屋。
「こちらで、少々お待ちください。」
後藤さんはそう言って、どこかへ行ってしまった。
部屋から見える庭にはたくさんの木々や花、広い池がある。
晴れた日に縁側に座り、甘いものを食べながら眺めたら、とても素敵だろうと思った。
ふと、タタタッと小さい子どもが廊下を走ってくる音がする。
廊下を見ていると、浴衣を着た5才くらいの女の子と目が合った。
肩まで伸びた黒髪のきれいな女の子だ。
「こんにちは。」
私が声をかけると、その子は驚いた顔をして襖に隠れてしまった。
そして、恥ずかしそうに顔だけ襖から部屋を覗いている。
産屋敷家のお子さんだろうか。
「お名前は何て言うの？」
そう言うと、その子は小さな声で呟いた。
「きりや…。」
女の子と思っていたら、どうやら男の子だったようだ。
恥ずかしそうにもじもじする様子がなんとも可愛らしい。
「きりやくん、素敵なお名前だね。私はAっていいます。どうぞよろしくね。」
笑顔でそう言うと、男の子もハニカミながら頷いた。
そして、
「お姉ちゃんが、きょうじゅろうの好きな人？」
男の子が首を傾けながら聞く。
「え？」
突然思いもしない質問をされて戸惑った。
杏寿郎って、煉獄さんの名前だ。
彼の好きな人……私？
「こらこら、お客様を困らせたらダメだよ。」
廊下から優しい男性の声がすると、綺麗で中性的な顔立ちの男性が現れた。
「お父様！」
男の子も嬉しそうに男性を見上げている。
「これからお客様と大事なお話があるから、お母様のところへ戻っていなさい。」
落ち着いた声で諭され、男の子も「はーい！」と廊下を走って行く。
「うちの子が、失礼しました。」
部屋の畳に両手をつき、その男性が深々と礼をする。
「い、いえ！とんでもございません！」
そう言って私も手をついて頭を下げた。
「私は産屋敷耀哉と申します。」
この方がお館様だろうか。腰が低く謙虚な方だ。
そして、なんだか声色が素敵だ。ふわふわする。
「Aです。」
私も挨拶をすると、
「とても可愛らしい方ですね、どおりで彼が好きになるわけだ。」
そう言って微笑んだ。
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favo（ふぁぼ）(プロフ) - 柚葉さん» 柚葉ちゃん！お久しぶりです☆ありがとう〜😆またちょっとずつ書いていくのでよろしくねぇ☆ (2022年12月22日 7時) (
レス) id: 507a9cc00c (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - ふぁぼちゃん、お久しぶりです。完結おめでとうございます。これからも頑張ってね😆 (2022年12月22日 4時) (レス) @page50 id: d20b43a216 (このIDを非表示/違反報告)
favo（ふぁぼ）(プロフ) - チェケラさん» こんばんは！チェケラさん、コメントありがとうございます！わー！大好きって言ってもらえてとっても嬉しいです！ありがとうございます！少しずつの更新で待たせてしまい申し訳ないですが、頑張りますのでどうぞよろしくお願いします！ (2022年12月14日 0時) (レス) id: 507a9cc00c (このIDを非表示/違反報告)
チェケラ - コメント失礼します！ favoさんの小説毎日読ませてもらっています！favoさんの小説とっても大好きです！ これからも連載頑張ってください！ (2022年12月12日 21時) (レス) @page27 id: df31792cbc (このIDを非表示/違反報告)
favo（ふぁぼ）(プロフ) - gn001yukaringoさん» わぁ〜！コメントありがとうございます！とても嬉しくて、また頑張ろうと思えました。ありがとうございます！完結まで頑張りますので、どうぞよろしくお願いします！ (2022年6月16日 20時) (レス) id: 8138f7760d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：favo（ふぁぼ） | 作成日時：2021年10月7日 18時
