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A先生とは、今まで話をする機会はあまり無かった。



胡蝶カナエ先生の机は隣なのだが、代理で来た彼女のデスクは胡蝶先生の場所ではなく、職員室の出入口付近にある。



新米ゆえ、出入口付近にいた方が何かと対応しやすいし、先生方や生徒の名前を早く覚えるからだ。



また彼女は、仕事を早く覚えるために、朝と夕方の職員会議以外は理科室か準備室で白衣姿で仕事をしていた。



それも朝早くから夜遅くまで。



時には休みの日も学校にいることがあり、勉強熱心なのだと思った。



そして、A先生は男女ともに生徒たちから人気がある。



若くて白衣姿がなんとも可愛らしいという理由もあるが、一生懸命生徒に向き合っている彼女の姿勢が生徒自身にも伝わるのだろう。



理科準備室に遊びに行く生徒を、たびたび見かけた。



そんな先生と、偶然倉庫で出くわした。



倉庫に二人っきりで閉じ込められると誰が予想できただろう。



倉庫は仮設倉庫のため、電気は付いていない。



ふたり、携帯で外と連絡を取る手段もない。



倉庫に脱出できる隙間がどこかにないか探したが、残念ながら見つからなかった。



外に向かってできる限りの大きな声で助けを求めたが、誰もいない。



「仕方ない、明日の朝なら冨岡が部活動を見るためここに来るはずだ。」



日が落ちて、上り始めた月の明かりをたよりに倉庫の中をぐるっと見渡す。



「それまで一晩ここで何とか…。」



過ごす方法を考えよう、そう言いかけた時だ。



彼女の様子がおかしいと、この時初めて気づいた。



彼女はドアのそばにいたが、身体を壁に預けるようにもたれ掛かっている。



肩で息をするようにして呼吸は荒く、手を口元に当てて苦しそうにしていた。



「A先生?どうした!」



彼女に急いで駆け寄り、彼女の肩に手を置いた。



身体は小さく震え、顔色は赤く目は涙目だ。



「煉獄せんせい…。」



彼女は搾り出すような声で言った。



「すみません…、わたし、閉じ込められることがダメみたいで…。」



そう言って、ガクン、とその場で座り込んでしまった。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , キメツ学園   
作品ジャンル:恋愛
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favo(プロフ) - まゆさん» まゆ様☆ありがとうございます(*´∇`*)嬉しいです。少しずつですが、書きしだい更新させて頂きますね(o^∀^o)またどうぞよろしくお願いします! (2021年9月20日 14時) (レス) id: 8138f7760d (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 続きが気になります!更新楽しみにしてます(*^^*) (2021年9月20日 10時) (レス) id: 3becc2e6ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:favo(ふぁぼ) | 作成日時:2021年9月18日 18時

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