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何度か引き戸を開けようとするも、びくとも動かない。



なぜだろう、入るときは易々と開けられたのに帰りはまったく開かなくなるなんて。



引き戸のレールに砂が詰まったのだろうかとふたりで見たが、そうではない。



鍵は付いているが、外から鍵が掛けられても、中から開けられる仕組みになっている。



ではなぜだ。



何かがドアに引っ掛かっているのだろうか。



「もしや、木の棒などがドアにつっかえているのか。」



煉獄先生が言う。



誰かのイタズラだろうか?



いや、うちの生徒たちはわんぱくな子もいるが、みんな素直だ。



人に迷惑をかけるようなイタズラはしない。



そういえば、倉庫に入る前、野球部の子どもたちが片付けをしていた。



ふたりで顔を見合わせる。



「……もしかして、トンボ?」



「うむ、かもしれん。」



トンボとは運動場のグランドを平らにする、T字型のほうきのような道具だ。



普段倉庫の横に立て掛けられていて、一本、ドアの端にちょうど倒れかかったのか。



それで引き戸が動かなくなったのではないか、と私たちは考えた。



「しかたがない。」



煉獄先生が携帯を取り出した。



そうだ、携帯で誰かに来てもらえばいいんだ。



ほっとして煉獄さんを見つめていると、彼のスマホの明かりが突然切れた。



「うむ、だめだったか。」



「え…?」



「今日はたまたまスマホの電池が少なくってな、お昼頃切れてしまったんだ。」



一時的な回復を狙ったが、だめだったらしい。



「君は?」



そう言われて、私も慌ててポケットをポンポンたたいて探す。



申し訳ない気持ちが沸き上がってきた。



「すみません、準備室です。」



私は煉獄先生とふたり、倉庫に閉じ込められたのだった。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , キメツ学園   
作品ジャンル:恋愛
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favo(プロフ) - まゆさん» まゆ様☆ありがとうございます(*´∇`*)嬉しいです。少しずつですが、書きしだい更新させて頂きますね(o^∀^o)またどうぞよろしくお願いします! (2021年9月20日 14時) (レス) id: 8138f7760d (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 続きが気になります!更新楽しみにしてます(*^^*) (2021年9月20日 10時) (レス) id: 3becc2e6ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:favo(ふぁぼ) | 作成日時:2021年9月18日 18時

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