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動くことができないほど驚いた。
思わず耳を疑った。
今、彼女が好きって言ったのか。
激しく心臓が鼓動し始める。
「A先生。」
女性から告白されることは初めてではなかった。
女生徒や仕事関係の女性からたびたび想いを伝えられたりすることもある。
それでも、彼女からの告白には頭が真っ白になった。
驚きに近いほど嬉しかったのだ。
「A先生、俺も君のことが…」
そう言って座っている彼女の顔を覗きこんだ。
「ん?」
彼女は俺の腕にもたれ掛かり、動かない。
「…。」
よく見ると、彼女は目蓋を閉じて静かに寝息をたてていた。
まるで冬眠中の小動物のようにぐっすり眠っている。
「よもや、君は…。」
どうやら寝言だったようだ。
耐えようにも耐えきれず笑いが込み上げ、同時に愛おしさが胸を突き上げた。
「寝言で告白してくれるのか。」
勇気を出して告白してくれる女性は可愛らしいが、寝言で告白してくれるのは、こんなにも胸が高まるのか。
彼女の寝顔を見つめた。
表現できないほどの愛おしさだ。
彼女の全てを守りたい。
そう思えた。
<+))><
太陽の光が倉庫を照らし、鳥たちがチチチと鳴き始める朝。
倉庫の中は冷たい透明な膜をかぶせたように冷えているのに、私の身体は心地いい温かさだった。
私はまだ眠くて、半分夢の中にいる。
煉獄先生の夢を見た。
どんな夢だったのか、内容はもう思い出せない。
でもとっても幸せな気持ちだった気がする。
だって今も太陽のような暖かい香りがするし、彼にふわりと包まれているようで安心した。
夢の中の私は子どものように素直だ。
もっと、くっついていたい。
ボーッとしたまま暖かい枕に抱きついて、私はうっすら目を開くと誰かの襟元が目の前に見える。
私は突然目が覚めた。頭の働きは完全に正常に戻ったように感じた。
「目が覚めたのだな。」
はっと顔を上げると、目の前にた煉獄先生の顔がある。
きゅっと上がった口角に整った顔立ち。
陽だまりのような優しい焔色の瞳が私を見つめていた。
私はいつに間にか煉獄先生と向かい合うように、横になって眠っていたのだ。
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favo(プロフ) - まゆさん» まゆ様☆ありがとうございます(*´∇`*)嬉しいです。少しずつですが、書きしだい更新させて頂きますね(o^∀^o)またどうぞよろしくお願いします! (2021年9月20日 14時) (レス) id: 8138f7760d (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 続きが気になります!更新楽しみにしてます(*^^*) (2021年9月20日 10時) (レス) id: 3becc2e6ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:favo(ふぁぼ) | 作成日時:2021年9月18日 18時