19. カフェの店員 ページ19
宇髄から教えてもらったカフェ『ウィスタリア』は、携帯で調べると、家からそう遠くないことが分かった。
昨日もらった紅いものスイートポテトが美味しくて、非番である今日、要の散歩がてら行ってみることにした。
要のリードをひいて携帯のナビ通りに歩きながら気づく。
「ここは…。」
最近、要とくる散歩道じゃないか。
以前、要に引っ張られながら走った道はいつの間にか散歩コースに加えられていた。
桜並木の通りを通って、広い芝生の公園に着く。
その先に建つ白い建物。
ここだったのか。
外までコーヒーのいい香りがする。
散歩でここに来ていた時間帯は、カフェがまだ閉まっている早朝。
そのため、今までお店の存在にまったく気づかなかったのだ。
「要、ちょっと待っててくれ。」
外に設置されているポールに要を繋げると、中に入った。
「いらっしゃいませ、少々お待ちください。」
店の奥から可愛らしい女性の声が聞こえる。
天井のガラスから日の光が差して、ピアノとギターのゆったりとした音楽が流れている。
宇髄の言う通り、居心地のいいカフェだ。
カウンターのメニュー表に目を通していると、女性が「お待たせしました！」と走ってくる。
顔をあげると、ピンクとグリーンの髪の毛を三つ編みのように束ね、ふんわりした雰囲気の女性が出てきた。
宇髄から店員さんはナチュラル系と聞いていたが、とても派手だ。
「ご注文はお決まりですか？」
そう言われて
「あぁ、カプチーノと紅いものスイートポテトを一つ、持ち帰りで頼む。」
そう言うと女性は「かしこまりました」とコーヒーカップをセットする。
「すまない、店長というのは君のことだろうか？」
そう聞くと、女性はきゅるっとした目をこちらに向けた。
「店長ですか？いいえ、私はバイトなので違いますよ。」
胸の名札を見ると、スタッフ『甘露寺』と名前が書かれていた。
「店長は今日打ち合わせでいないのですが、もしかして店長にご用でした？」
「いや、いいんだ、気にしないでくれ。」
笑ってそう言った。
宇髄から聞いていた女性は不在だったらしい。
「お待たせしました、スイートポテトとカプチーノです！」
「ありがとう」と言って外に出る。
ふとカフェの横に藤の花の木がある事に気がついた。
一瞬、脳裏に夢で見る着物の女性が浮かぶが、それは蜃気楼のようにすぐに消えてしまったのだった。
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favo(プロフ) - 柚葉さん» 柚葉さん！いつも声かけてもらい、本当に元気をもらえました、ありがとうございます！素敵な設定なんて言ってもらい私も嬉しかったです☆もし新作できた際にまたお会いできるのを楽しみにしてます☆ありがとうございました！ (2021年8月26日 17時) (
レス) id: 8138f7760d (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 完結おめでとうございます。炎柱様が消防士！素敵な設定でした。他の柱の方も登場し、連帯の強さも柱時代と同じだあって、思いました。楽しい作品、ありがとうございました！！新作も楽しみにしています(^.^) (2021年8月26日 14時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
favo(プロフ) - tubinさん» tubin様、コメントありがとうございます！とても嬉しいです！引き続き頑張りますので、またどうぞ宜しくお願いします☆ (2021年8月23日 15時) (レス) id: 8138f7760d (このIDを非表示/違反報告)
favo(プロフ) - 柚葉さん» 柚葉さん☆コメントありがとうございます〜！そう言っていただけて私も嬉しいです！ありがとうございますm(_ _)m☆ (2021年8月23日 15時) (レス) id: 8138f7760d (このIDを非表示/違反報告)
tubin - すごくおもしろかったです！！ 無中になって読んでました!! 続きがすごく楽しみです!! 応援してます!! これからもがんばってください！！ (2021年8月23日 14時) (レス) id: 73a03e30c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：favo（ふぁぼ） | 作成日時：2021年5月19日 13時
