愛を込めて花言葉を【煉獄杏寿郎】

5. 炎柱の決意 ページ5

「本が入った箱は俺が下ろしておこう。A殿は着替えてくるといい。」



そう煉獄さんに言われて私は破れた着物を着替えに部屋へ戻っている。



はしごから落ちたのを煉獄さんが助けてくれた。



抱っこされた時、煉獄さんの顔がとても近かった。



近くで見ても、端正でキレイな顔だ。そして燃えるような眼力。



「素敵な人だな。」



煉獄さんの触れた箇所にまだぬくもりが残ってて暖かかった。



着物を着替えて書庫に戻ると、煉獄さんが「戻ってきたな。」とニッコリ笑った。



私がいない間に箱を全部降ろしてくれたらしく、箱が床にキレイに並んでいる。



「A殿が探している本はどれだ?」



「あ…、えっと、料理の本なんですが…。」



いくつか箱の中を探すと



「あ、ありました！これです！」



箱から取り出して煉獄さんに本の表紙を見せた。



表紙には「回復・滋養強壮料理」と書かれた本。



少し年期が入っている古い本だが、病気や体が弱った時に食べると回復力や免疫力が増す料理の本だ。



「このような本もあるんだな！」



「良かった、これなら怪我してきた鬼殺隊の人にも出せる料理が増えます。」



「では怪我した時はA殿の作る回復料理、ぜひ食べにこよう。」



「はい！」



笑顔でそう答えると、煉獄さんがニッコリ優しく笑った。



「A殿、聞いてもいいだろうか？」



しばらく沈黙が続いたあと、煉獄さんが口を開いた。



「なんですか？」



「A殿には特定の男性がいるだろうか？」



「え!?」



煉獄さんを見ると少し引き締まったような、真面目な顔をしている。



「A殿は付き合っている男性はいるか?」



煉獄さんがもう一度聞いた。



「い、いえ、いませんが…。」



「そうか…、分かった。」



そう言って煉獄さんは満面の笑みを私に向けてこう言った。



「A殿、俺は君に惚れてしまったようだ！」



「…え!?」



「会った日にこんなこと言うのも初めてだが、俺には分かる、この女性を逃してはならないと。」



「今すぐに付き合ってほしいとは言わない。



Aから返事をもらえる日まで俺は待とう。」



煉獄さんのあまりの衝撃な告白に私は頭が真っ白になり、ただただ固まってしまっただけだった。

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