21.返事 ページ21
胡蝶さん達が行ってしまったあと、いつもの夜の静けさに戻った。
煉獄さんは私が泣いている間、ずっと黙って私の背中を優しく撫でてくれた。
背中に伝わる温かさでだんだん恐怖が和らぎ、気持ちが落ち着いてくる。
ひとしきり泣くと涙が止まり、ふと煉獄さんの顔を見上げた。
煉獄さんは優しい顔で微笑んでいる。
私の顔がだんだん熱くなってきた。
「あ！あの…
助けてくれてありがとうございました。
煉獄さんが来てくれなかったら…。」
私はどうなっていたか分からなかった。
煉獄さんが少し切ない顔をしながらほっとため息をついた。
「無事で本当に良かった。」
そう言うと、優しくもう一度私を抱きしめた。
煉獄さんっていい匂いがする。
安心と緊張が混じって体がフワフワしている。
「俺はAに謝らなくてはならない。」
ふと体を離して煉獄さんが言った。
「え？」
「俺の今回の任務はあの三人を捕まえることだった。
藤の花の宿で被害が相次いでいたが、どうしても現場を抑える必要があった。
この藤の花の宿にも来るだろうと情報があり捕まえることができたが、結果Aを危ない目に合わせてしまった。
本当に申し訳ないことをした。」
煉獄さんが悲しそうに頭を下げた。
「そんな！私を助けてくれたのは煉獄さんです、それに言ったはずです。」
煉獄さんの手の上に私の手を重ねた。
「私は未来に悪いことが起こるとしても、あなたを信じると言いました。
今もその気持ちは変わりません。」
しばらく驚いて聞いていた煉獄さんはフッと顔を緩めて、暖かく笑った。
「ありがとう。」
そう言って私の手を握り返してくれた。
手が温かい。
私の胸が早鐘を打っている。
「あと…私も煉獄さんにお伝えしたい事があって…。」
煉獄さんは柔らかい目で見つめながら、どうしたと眉を上げた。
「前に煉獄さんが言っていたお返事の話、お受けします…。」
煉獄さんの目が瞬いた、まさかというように。
「よもや…、返事というのは、この前の…。」
「はい、あの…、煉獄さんとお付き合い、させてください。」
最後の言葉はもう恥ずかしくて声が小さくなってしまっていたが、ハッキリ言葉にした。
煉獄さんの綺麗な目をまっすぐ見ながら。
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favo(プロフ) - にこさん» にこ様、最初から最後まで応援していただきありがとうございました☆そう言って頂けて私も嬉しいです(*´▽｀*)ありがとうございます！短編集もまた書けましたらお知らせしますので、またどうぞよろしくお願いします☆ (2021年5月21日 8時) (
レス) id: 8138f7760d (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - 完結おめでとうございます！お疲れさまでした(^^)すごくよかったです！！とにかくよかったです！！温かくて愛の溢れる作品でした★短編のほうも楽しみにお待ちしてます！これからも応援してますので頑張って下さい。新作も読ませていただきますね♪ (2021年5月20日 12時) (レス) id: 4f5310af0f (このIDを非表示/違反報告)
favo(プロフ) - 衣世さん» 衣世様、最初から最後までたくさん応援してもらいありがとうございました！元気をもらい、無事完結できました笑(*´▽｀*)また更新した時はどうぞよろしくお願いします☆ありがとうございました！ (2021年5月17日 18時) (レス) id: 8138f7760d (このIDを非表示/違反報告)
衣世(プロフ) - 完結おめでとうございます！二人とも幸せで良かった(^○^)短編集も楽しみにしてます！ (2021年5月17日 18時) (レス) id: 1ea4fe96cf (このIDを非表示/違反報告)
favo(プロフ) - 柚葉さん» 柚葉様、コメントありがとうございます！本当に煉獄さんは生きていてほしいと思いました！私の中には生存ifしかありません笑(*´▽｀*)新作、また読んでいただけますと嬉しいです！ありがとうございました☆ (2021年5月17日 18時) (レス) id: 8138f7760d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：favo（ふぁぼ） | 作成日時：2021年4月2日 0時
