桜の聖杯 1 ページ33
「…桜模様の聖杯の雫とか、もう完ッ全に嫌な予感しかしないんですけど」
「だよね、私もそう思う……」
自らが発見した金色のそれが聖杯の雫であることに気づいたAは、ルーシィたちと共に資材置き場へと向かいつつ、この雫の作成者と思しき小悪魔系後輩についてサーヴァントたちと密かに話していた。
「ま、ラスボスが向こうからシッポ出してくれたのはラッキーだけどさ。
ていうかあいつ、黒幕気取ってるくせに自己主張激しすぎだっての」
かつて聖杯の力を使ってとんでもない特異点を生み出したことのある小悪魔系後輩__BBと少なからず縁のある鈴鹿御前が、心底呆れたように声を発する。
「聖杯が雫となってこの世界に散らばっていると仮定するならば、残りの六つも探さねばなりませんね」
「このサイズをあと六つも探すのは大変そうだなぁ……」
聖杯の雫とは、簡単に言えばひとつの聖杯を七等分した欠片のことである。
七つ集めると願いが叶う…というわけではなく、カルデアのダヴィンチ工房に持っていくと、霊基強化用のカルデア式聖杯に交換してもらえる。
普段はカルデア内の対人戦シミュレーションにおける勝利報酬として設けられているものなのだが、今回はどうやら特異点内の異世界に導入されてしまったようだ。
「桜模様の雫に、カルデアの静謐ちゃんのシャドウサーヴァント。
黒幕がBBだとしても、さすがに一人でここまでは作りこめないはず。きっと他にも、彼女に協力している人がいるんじゃないかな」
ルルハワで終わらない七日間を繰り返し、同人誌を描き続けた時でさえ、彼女は『下地となる場所だけ自らの手で作り、そこにカルデアのサーヴァントたちを呼び込んで特異点化させる』という方式をとっていた。
今回も同じ方法で作られた特異点に放り込まれたのなら、先に呼び込まれていたカルデアのサーヴァントたちが変質し、この世界に馴染んでいてもおかしくはない。
あるいは『特異点の中の異世界』という下地を維持し、矛盾が出ないよう常に完璧な計算・管理ができるような存在__キャスタークラスの誰かが関与している可能性も十分ある。
「……マスター、この話はまた後にしましょう。
もうすぐ資材置き場に着きます」
アルジュナの声で我に返り、Aがはっと前を見ると、目の前にはやけに静かな資材置き場の入口が見えていた。
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紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (9月15日 7時) (レス) @page50 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
空思鳴(プロフ) - 暇だと思ってるマンさん» 励みになるコメントをありがとうございます。いつかやってみたいと思っていた組み合わせなので、書いていてとても楽しいです(設定の擦り合わせなどは大変ですが…)。多忙につき少しずつの更新になりますが、楽しんでいただけたら作者としても幸いです。 (2021年1月20日 3時) (レス) id: 962df50755 (このIDを非表示/違反報告)
暇だと思ってるマン(プロフ) - とても面白いです!FateとFAIRYTAILは系統が似てるのでとても合っていますね!!更新、楽しみに待っています! (2021年1月8日 18時) (レス) id: 92ab665feb (このIDを非表示/違反報告)
空思鳴(プロフ) - りんりんさん» こんにちは。温かいコメントをありがとうございます。今後も少しずつ更新していく所存ですので、最後までお付き合いいただけると幸いです。 (2020年12月10日 20時) (レス) id: 962df50755 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん(プロフ) - こんにちは!初見で一気に読み進めました!更新、楽しみにしてます! (2020年12月10日 20時) (レス) id: 7fd268645f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空思鳴 | 作成日時:2020年12月9日 1時