月の雫、悪魔の咆哮 ６ ページ29
月の魔力を集めた聖なる神殿＿＿今となっては半ば廃墟と化しているその建物の前で、Aたちはアルジュナと合流した。
｢マスター、取り急ぎお伝えしたいことが｣
｢わかった。走りながらでもいい？｣
そして、魔力で編まれていたそれを右の掌に乗せ、魔力の粒子へと変換して空中に霧散させる。
｢本物の矢じゃなかったのね、それ｣
｢本物では、持てる数に制限がありますからね｣
思わず言葉を零したルーシィに対し、自らの矢筒に目を向けながらアルジュナがそう説いた。
｢……で？あれを飛ばしてきたってことは、ジュナっちの方にシャドウサーヴァントが出た…って解釈でいいの？｣
植物の侵食によってあちこちが傷み、今にも崩れそうな石の階段を登りながら、鈴鹿御前が口を開く。
｢えぇ。正しく伝わっていたようで何よりです。
単独行動の最中、シャドウサーヴァントの襲撃を受けました。
相手は一騎。正体はおそらく、カルデアの静謐のハサンでしょう｣
｢カルデアの静謐ちゃん……！？｣
実際に接敵し、相手を視認したであろうアルジュナが『カルデアの』という前置きを挟んだ時点で、通常のレイシフト時とは違う何かが発生していることは明らかだ。
Aがシャドウサーヴァントの正体に驚きを隠せずにいると、少し後方を飛んでいたハッピーが｢カルデアって？｣と率直な疑問を投げかけた。
｢……人理継続保障機関『カルデア』。
マスターであるAが所属する組織であり、
｢こっちの国のギルドと似た感じ…かな。
今はちょっと理由があって、行き来できないんだけどね｣
詳細な内容を伏せる形でアルジュナとAが簡単に述べると、ハッピーを含めたその場の全員が納得したのか、一行の間にしばらく沈黙が続いた。
そのまま階段を登りきり、次の階段を目指して建物の中を進む。
ふと、Aはフロアの中心に空いている大きな穴に視線を移した。
｢あれは……｣
天井の同じ場所にも空いているその穴から紫色の糸のようなものが垂れている気がして、無防備にも穴に近づき、糸に触れようとした瞬間。
『＿＿＿＿＿＿＿＿＿ッ！！！』
金属の音にも似た悪魔の咆哮が地中から響き、ガルナ島全域を大きく揺らした。
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紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (9月15日 7時) (
レス) @page50 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
空思鳴(プロフ) - 暇だと思ってるマンさん» 励みになるコメントをありがとうございます。いつかやってみたいと思っていた組み合わせなので、書いていてとても楽しいです(設定の擦り合わせなどは大変ですが…)。多忙につき少しずつの更新になりますが、楽しんでいただけたら作者としても幸いです。 (2021年1月20日 3時) (レス) id: 962df50755 (このIDを非表示/違反報告)
暇だと思ってるマン(プロフ) - とても面白いです！FateとFAIRYTAILは系統が似てるのでとても合っていますね！！更新、楽しみに待っています！ (2021年1月8日 18時) (レス) id: 92ab665feb (このIDを非表示/違反報告)
空思鳴(プロフ) - りんりんさん» こんにちは。温かいコメントをありがとうございます。今後も少しずつ更新していく所存ですので、最後までお付き合いいただけると幸いです。 (2020年12月10日 20時) (レス) id: 962df50755 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん(プロフ) - こんにちは！初見で一気に読み進めました！更新、楽しみにしてます！ (2020年12月10日 20時) (レス) id: 7fd268645f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空思鳴 | 作成日時：2020年12月9日 1時
