月の雫、悪魔の咆哮 5 ページ28
一瞬だけ立ち止まってエルザから矢を受け取ったAは、再び走り出しながらそれを調べていた。
「味方に向けて矢を射る。ということは、何か伝えたいことがあるのだろうな」
「矢文……とまではいかないんだけど。ジュナっちって基本的に遠距離型だから、前線立ってるとよくこういう伝達が来るんだよねー」
「味方に当たるかも、とか考えないのかしら…」
「あのジュナっちに限って誤射はないっしょ。ああ見えて、見た目どおりの超マジメ系生徒会長だし。
んで?マスター。何かわかった?」
Aの代わりに受け答えを行っていた鈴鹿御前が話を振ると、Aはひと呼吸置いた後、努めて冷静に口を開いた。
「戦闘時に矢が飛んでくる時は、敵襲の合図…なんだけど。今回はもう少し特別みたい」
「特別、って?」
ハッピーが首を傾げて聞き返す。
その言葉を受けて、Aが矢の羽根部分を全員に見えるように右手で示した。
「ここの部分、黒くなってるでしょ?」
「あ、ホントだ。まるで何かに焼かれたみたいね」
「たぶんこれ、アルジュナが自分で焼いたんだと思う。……黒に関係する何かを、伝えるために」
「黒に関係する、何か…?」
思い当たる節のないルーシィやハッピー、エルザとは裏腹に、それが指し示すものの見当がついた鈴鹿御前が信じられないといった表情を見せた。
「まさか、シャドウサーヴァント?」
「…だと、思う。なんでシャドウサーヴァントがここにいるのかは、分からないけど」
心の内で周囲への警戒度を上げたAは、綺麗に斬られた矢をダガーホルダーのベルトに挟み、鈴鹿御前と併走するために少しだけ走るスピードを上げる。
「A。シャドウサーヴァントとは何だ?」
「簡単に言えば、不完全な
通常のサーヴァントほどの力はないんだけど……強いよ」
エルザの問いにハッキリと答えたAの言葉には、今まで彼女たちが積んできた戦闘経験による信憑性の高さが滲んでいた。
真剣そのものであるAの表情に、エルザは「そうか」とだけ返して歩を進める。
目的地である古びた建物は、もう目と鼻の先にまで迫っていた。
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紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (9月15日 7時) (レス) @page50 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
空思鳴(プロフ) - 暇だと思ってるマンさん» 励みになるコメントをありがとうございます。いつかやってみたいと思っていた組み合わせなので、書いていてとても楽しいです(設定の擦り合わせなどは大変ですが…)。多忙につき少しずつの更新になりますが、楽しんでいただけたら作者としても幸いです。 (2021年1月20日 3時) (レス) id: 962df50755 (このIDを非表示/違反報告)
暇だと思ってるマン(プロフ) - とても面白いです!FateとFAIRYTAILは系統が似てるのでとても合っていますね!!更新、楽しみに待っています! (2021年1月8日 18時) (レス) id: 92ab665feb (このIDを非表示/違反報告)
空思鳴(プロフ) - りんりんさん» こんにちは。温かいコメントをありがとうございます。今後も少しずつ更新していく所存ですので、最後までお付き合いいただけると幸いです。 (2020年12月10日 20時) (レス) id: 962df50755 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん(プロフ) - こんにちは!初見で一気に読み進めました!更新、楽しみにしてます! (2020年12月10日 20時) (レス) id: 7fd268645f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空思鳴 | 作成日時:2020年12月9日 1時