月の神殿、悪魔の島 3 ページ14
島の海岸に巨大なストーンゴーレムのようなものが動き回っているのを誰もが目視できるようになった頃、これ以上の見張りは不要と判断したアルジュナがAたちのいる甲板へと戻ってきた。
そして未だに両腕をしっかりと捕まえられているエルザに対し、答え合わせを求めるように口を開く。
「エルザ。先程の貴女の言葉…何か策があるようにも聞こえましたが、海を渡る術でも持っているのですか?」
「渡る…というより、跳ぶ、のほうが正しい。
A、スズカ。少し離れてくれないか」
その言葉に従って二人が数歩ほど後退すると、突如エルザの体が光に包まれ、鈍色の魔法陣が展開された。
「換装、黒羽の鎧!」
魔法陣が収束し、光が収まると、そこには先程のものとは違った鎧を纏うエルザの姿が。
黒を基調としたビキニアーマーのような鎧の背には、蝙蝠にも似た大きな翼が取り付けられている。
「わっ、凄い!これってエルザの魔法?」
「あぁ。
「露出も多いけどいい鎧じゃん!イケてる〜!」
鈴鹿御前に鎧を褒められたのがかなり嬉しかったのか、エルザは満足そうに笑って言葉を続けた。
「この黒羽の鎧は一撃の威力を高めると同時に、跳躍力を上げる効果も持つ。それを応用し、点在する岩を足場にして海岸まで移動する方法を思いついたんだ。
…まぁ、出来るかどうかは半々だったうえ、Aたちに止められてしまっては、やめざるを得ないがな」
「(無策で飛び込もうとしたわけじゃなかったんだ…)」
ギルドからS級の資格を賜った魔導士の思考は、他人が簡単に推し量れるようなものではないらしい。
知らなかったとはいえ事実上エルザの作戦を妨害してしまったAは、彼女に対して申し訳なく思いつつ、これ以上余計なことはするまいと心に固く誓った。
「…ギルドの面々がどのような魔法を使用するのか、ひと通り把握しておく必要がありそうですね。
連携の不和は敵に隙を与えてしまいますし、それが原因で我々の聖杯探索が阻害されてしまっては困りますから」
「うん……後でルーシィに聞いてみようかな。ギルドの人たちのこと、色々と知ってそうだし」
指揮能力の高いアルジュナからの小声の提案に、Aが同じく小声で同意の言葉を返す。
そう、これは聖杯探索のための第一歩。
Aたちに与えられた、使命を果たすための足掛かり。
ガルナ島到着まで、あと300メートル。
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紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (9月15日 7時) (レス) @page50 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
空思鳴(プロフ) - 暇だと思ってるマンさん» 励みになるコメントをありがとうございます。いつかやってみたいと思っていた組み合わせなので、書いていてとても楽しいです(設定の擦り合わせなどは大変ですが…)。多忙につき少しずつの更新になりますが、楽しんでいただけたら作者としても幸いです。 (2021年1月20日 3時) (レス) id: 962df50755 (このIDを非表示/違反報告)
暇だと思ってるマン(プロフ) - とても面白いです!FateとFAIRYTAILは系統が似てるのでとても合っていますね!!更新、楽しみに待っています! (2021年1月8日 18時) (レス) id: 92ab665feb (このIDを非表示/違反報告)
空思鳴(プロフ) - りんりんさん» こんにちは。温かいコメントをありがとうございます。今後も少しずつ更新していく所存ですので、最後までお付き合いいただけると幸いです。 (2020年12月10日 20時) (レス) id: 962df50755 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん(プロフ) - こんにちは!初見で一気に読み進めました!更新、楽しみにしてます! (2020年12月10日 20時) (レス) id: 7fd268645f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空思鳴 | 作成日時:2020年12月9日 1時