月の神殿、悪魔の島 2 ページ13
「交戦!?」
島の住人からの依頼で呼ばれたはずの魔導士が、どうして島で危害を加えられているのだろうか。
Aが甲板の柵に張りつき、アルジュナの見据えている海岸らしき場所を細目で凝視していると、隣でガシャリと鎧の擦れる音がした。
「アルジュナ、詳細な距離は測れるか!?」
見張り台に向けて短く言葉を発し、冷静に状況把握を行うエルザ。
彼女の言動にAは戦場においてのカリスマ性とでも表すべき才を感じ、同時に強いサーヴァントと相対した時のような、肌のひりつく恐ろしさを覚えた。
「現在地から南東およそ900メートル先です!」
「よし!」
何が「よし」なのかと驚いて左を見れば、エルザが柵に右足をかけ、今にも海面に飛び降りそうな体勢をとっている。
「え、エルザ!?そんな格好で海なんて入ったら沈んじゃうよ!?」
ぎょっとして彼女の左腕を掴み、落ちないように足を踏ん張る。
その様子に気づいた鈴鹿御前はエルザの右腕を掴み、早まるなと言わんばかりに自分のほうへ引き戻した。
「ルーシィを助けに行きたいっていう気持ちはすーっごく分かるけど、流石にもう少し近づかないと降りられないっしょ!?」
「そ…そうか?いけると思ったんだが……」
「逆にその自信はどこから来てんの…!?
確信がないなら余計にダメ!普通に危ないから!!」
驚愕のあまりに膨らんだ尻尾を気にもとめず、説教と説得を綯い交ぜにして投げかける鈴鹿御前。
サーヴァントなら鎧のまま海に飛び込んでも何とかなるかもしれないが、エルザは生身の人間である。
空を飛ぶ術でもない限り、ここから島の海岸まですぐに移動することは不可能だろう。
「船長さんもっと急いでください!」
「あいよ、もうどうにでもなっちまえ…!」
それでも一刻も早くルーシィを助けたいAは、舵を握っている海賊船の長を全力で急かした。
半ば自暴自棄になっている船長がグルリと舵を回すと、船はその先端を海岸に向け、どんどんスピードを上昇させていく。
「(皆、無事でいてね…!)」
逸る気持ちを抑えながら島を見つめるAの髪を、強まった潮風がさらりと撫でた。
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紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (9月15日 7時) (レス) @page50 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
空思鳴(プロフ) - 暇だと思ってるマンさん» 励みになるコメントをありがとうございます。いつかやってみたいと思っていた組み合わせなので、書いていてとても楽しいです(設定の擦り合わせなどは大変ですが…)。多忙につき少しずつの更新になりますが、楽しんでいただけたら作者としても幸いです。 (2021年1月20日 3時) (レス) id: 962df50755 (このIDを非表示/違反報告)
暇だと思ってるマン(プロフ) - とても面白いです!FateとFAIRYTAILは系統が似てるのでとても合っていますね!!更新、楽しみに待っています! (2021年1月8日 18時) (レス) id: 92ab665feb (このIDを非表示/違反報告)
空思鳴(プロフ) - りんりんさん» こんにちは。温かいコメントをありがとうございます。今後も少しずつ更新していく所存ですので、最後までお付き合いいただけると幸いです。 (2020年12月10日 20時) (レス) id: 962df50755 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん(プロフ) - こんにちは!初見で一気に読み進めました!更新、楽しみにしてます! (2020年12月10日 20時) (レス) id: 7fd268645f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空思鳴 | 作成日時:2020年12月9日 1時