拠点探しと人助け 2 ページ13
「いやぁ、助かったわい。
嬢ちゃんたち、見かけによらずパワフルじゃのぅ」
「いえ、それほどでも。
…して御老人、ひとつお尋ねしても?」
朗らかに笑いながらしきりに感謝してくる老人に対し、アルジュナは丁寧に言葉を紡ぐ。
「我々は白い建物の人里を探しているのですが…どこにあるかご存じですか?」
「おぉ、それなら知っておるよ。すぐそこの町じゃ」
老人は街道の向こう側を指さした。
鈴鹿御前が示していた方角と同じである。
「ほらぁ、やっぱ合ってたじゃん!」
「まあまあ鈴鹿ちゃん落ち着いて…
えっと、おじいさん。私たちその町に行きたいんですけど、ここからどのくらいかかりますか?」
アルジュナに向かってドヤ顔をする鈴鹿御前を宥めつつ、Aは老人にそう尋ねた。
「人の足じゃと1時間くらいかのぅ。
なぁに、助けてもらったお礼じゃ。乗っていきなさい」
老人はそう言って車のような機械に視線を送る。
どうやらこれで町まで連れていってくれるようだ。
「いいんですか!?ありがとうございます!」
Aが素直にお礼を言って頭を下げると、老人は優しい笑顔を残して前座席のドアを開け、そのまま乗り込んでいった。
数秒後、後ろの方の座席のドアが開く。
老人の厚意に甘えて順に乗り込むと、中は普通の自動車の座席と遜色ない造りをしていた。
少し座席が広めなタクシー、といったところか。
「ねぇおじいちゃん、この車なんていうの?」
運転席らしき場所に座って手首に謎の枷のような物体をはめていた老人に、鈴鹿御前は素朴な疑問を投げかける。
「何じゃおぬしら。魔動四輪車を見るのは初めてかぇ?
…さては外国から来た観光客かぃ?」
怪訝そうな目を向けられ少し焦った鈴鹿御前は、「ま、まぁそんなカンジ」と視線を逸らしてはぐらかした。
老人はそうかそうかと視線を前に向け、ゆっくりと車___魔動四輪を走らせ始める。
「この機械は『魔動四輪車』といってのぅ。
操縦者の魔力を動力源にして走る便利なものなんじゃ。フィオーレ王国が誇る発明のひとつじゃよ」
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作者名:空思鳴 | 作成日時:2020年8月26日 16時