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女の子の方はグレイちゃんというのか。かわいい……
桂は、後ろに立っている未だ一言も話さない2人へ問う。
「カレンも天草くんも、いいかな?」
天草くんはフラットとを一瞥し、
「はい、マスターがそうおっしゃるならば」
と言った。
「カレンは?」
カレンの方を見ると、彼女はフラットを見つめていた。
「……どうかした?」
彼女は暫く彼を見ていて、
「あなた、不安定なのね」
ポツリと呟く。
フラットはそれを拾い、驚いてカレンを見つめた。
「不安定?」
そしてそのまま少し俯いて何かを考えて、
「……あぁ、"僕"のことか。」
と言った。
「よくわかったね、僕のことまだ誰にも言ったことないのに」
「……ふとした時一瞬感じるのです、何か違う、と」
フラットは目を細めて、
「そっか。大丈夫、"僕"は強いよ。俺も、ね。折り合いはつけてるよ」
と呟く。
「……そう。」
そして彼女はそのまま静かになった。
沈黙が広がる。
桂はその様子をぼーっと眺めていた。なんか違う、なんて全くわからず、彼女と天草は置いてけぼりを食らっていた。
一段落したようなので口を開く。
「じゃあ、よろしくね、フラットくん」
「……うん!よろしく、桂ちゃん!」
とりあえず刺さった矢を抜きホテルを修復し、彼らはフラットとグレイの部屋に入る。
扉を閉め、簡易結界を張って各々が好きな場所に座った。
「情報を確認するわね。」
桂とカレンはこちらの持つ情報をあらかた話した。
「……つまり、聖杯から泥が出てくるようになってて、それを悪い人達が使おうとしてるってことか!」
「大正解」
そしてフラット達の方は情報がさっぱり無いらしく、申し訳なさそうに謝られた。
「気にしないで、私もカレンに教えてもらったことだらけだから。
じゃあうちのサーヴァントを紹介するわね。連携するに当たって知っておいた方がいいから」
そして、霊体化していた天草を呼び出す。
「天草くん、ちょっと出てきてくれる?」
すうっ、と現れた天草は会話の内容をしっかり聞いていたようで、
「ルーラー、天草四郎時貞。よろしくお願いしますね」
と笑顔で自己紹介をする。
「へぇ、日本の人なんだね!こちらこそよろしくー!」
フラットも笑顔で返した。
「じゃあ次はこっちの番だね!グレイちゃん、いける?」
と後ろに居たグレイを振り返る。
「……は、はい。サーヴァント、アサシン。グレイです。…よろしくお願いします…」
桂は、かわいい…と一人静かに悶えていた。
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にに(プロフ) - ありがとぉう!!私、頑張る!!!!!! (2021年8月25日 17時) (レス) id: aa61a44260 (このIDを非表示/違反報告)
ひらめ(プロフ) - もけぺんさん» 面白いです!!これからも応援させていただきます!!!! (2021年8月25日 17時) (レス) id: da5ae24658 (このIDを非表示/違反報告)
もけぺん - そうですよね……言峰さんとか天草くんとか……Fateだとなんか暗いところにいるイメージします笑 (2021年8月24日 14時) (レス) id: aa61a44260 (このIDを非表示/違反報告)
あいでっと(プロフ) - 神父って怖いイメージあるよね… (2021年8月24日 7時) (レス) id: 81182bc18e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぺんぎん | 作成日時:2021年8月24日 6時