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「おはようございます、マスター朝です起きて下さい」
そう声がして遠慮なく布団が剥がされる。
目を薄く開けると部屋の中はすっかり明るくなっていて、窓の外に太陽が見えた。
朝だ起きなきゃ、と思ったがとても眠い。正直もう少しくらい寝てもいいと思う。
「……あと5分…いや、5時間……」
と呟いたら
「学校遅刻しますよ」
完全覚醒。
「えっちょっ死ぬ!錬送ってってお願いぃぃ」
と叫びながら飛び起きた。
「はいおはようございますマスター。今日から聖杯戦争ですよ。気張っていきましょう。」
……部屋に天草くんがいた。
「うぇぇぇぇぇぇええ!?」
ベッドから転げ落ちた。
「ナイスリアクションです、マスター。ゆっくりしていいとは言いましたが流石に遅いので起こしに来ました。」
えっ今何時…?
部屋の壁にある時計を見ると、昼の12時だった。
完全に寝坊した…
「錬はもう学校行った?」
と聞く。
「はい、弟さんはもう朝早くに行かれましたよ」
安心した。錬には昨日のうちに学校を休むと伝えておいたのでそっとしておいてくれたのだろう。
とりあえず。
「支度するから、リビングで待ってて」
着替え終わり、身支度を簡単に済ませてリビングへ向かう。秋谷家は一軒家で2階建てなので、私の部屋(と錬の部屋、天草くんの部屋)とリビングの間には階段がある。
リビングに降りると、テーブルの上のパンと野菜とヨーグルト、目玉焼きが香ばしい香りを届けてきた。
「えっいつの間に!!錬が作ったのかな……」
にしてはまだ作りたてでホワホワしている。
ということは……
「天草くん……?」
椅子に腰掛けている天草くんを見る。
「はい、私が作りました。料理は慣れていますから。冷めないうちにどうぞ。」
超絶意外だった。でも言われてみれば一人暮らしに慣れている感じがする。
「じゃあ、いただきます!!」
そう言って食べ始めた。
「……美味しい!!!」
とても美味しかった。パンはこんがりふわふわに焼け、目玉焼きも外はカリッとしているが中の白身と黄身がふわぁっと外に出てくる。
野菜とヨーグルトももちろん美味しい。
「……絶技……」
正直私が作るものの何倍もおいしい料理だった。なくなっていく朝ごはん(昼ごはん)を惜しく感じる。
だが、
「天草くんは食べないの?」
そう、彼はこの間何も食べていない。
「喜んでいただいて嬉しいです。サーヴァントは何も食べなくても大丈夫ですよ。お気になさらないでください。」
と言われる。だけど。
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にに(プロフ) - ありがとぉう!!私、頑張る!!!!!! (2021年8月25日 17時) (レス) id: aa61a44260 (このIDを非表示/違反報告)
ひらめ(プロフ) - もけぺんさん» 面白いです!!これからも応援させていただきます!!!! (2021年8月25日 17時) (レス) id: da5ae24658 (このIDを非表示/違反報告)
もけぺん - そうですよね……言峰さんとか天草くんとか……Fateだとなんか暗いところにいるイメージします笑 (2021年8月24日 14時) (レス) id: aa61a44260 (このIDを非表示/違反報告)
あいでっと(プロフ) - 神父って怖いイメージあるよね… (2021年8月24日 7時) (レス) id: 81182bc18e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぺんぎん | 作成日時:2021年8月24日 6時