自虐少女と犬系従者

月光の下、舞う赤。 ページ6

「はぁあ…！」
キンッ…互いの武器がぶつかり合い、光を飛ばす。
?「…っ、はっ!……くっ…」
Aは、人間ではない。だから人間には無い、強い力を持つ。呪力を使う時だけ。
…いける、このまま距離を取って逃げよう。別に倒すべき相手ではない。
「っ、はあ！…はっ……。」
赤い槍と赤い剣がぶつかる。
もうすぐ、あの窓から飛び降りれば…
チラッと目を離した、その瞬間。
「!、い″っ…かはっ…」
勢い良く、壁に打ち付けられた。
変な体制で強く打ってしまい、体が痺れる。
?「よそ見すんなよ、闘ってんだぞ。」
赤い、獣のような目が私を捉える。
ヤバい……、そう思っても体が利かない。
?「ま、女にしちゃ強い方か…。」
槍がAに向け、構えられる。
心臓目掛けて飛ぶ、が、彼女は前によける
「あ、!」
上手くよけたが、足が躓きそのまま目の前の敵へダイブ。
?「…!、おぁっ!」
彼の手がAの首に触れる。
「、っ、ひぁ…あぁ…。」
その瞬間、Aの力が切れてしまった。
…や、やってしまった。血の剣がドロリと液体に戻る。
?「…?、もしかするとここが弱点か…?」
ニヤリと楽しそうな顔をする。
「ち、違っ…ひゃあ!、や…ぁあ…う、」
何だ、この状況。
Aの力を止める方法は、自分で止めるか彼女自身の弱い部分に触れる事。なんという困った力だ。
「ん…ちょ、と、いつまで触って…」
?「ん?いや〜面白い獲物見つけたんでね…」
何で、こんなにフレンドリーなんだよ…
もう……

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