第二十話 ページ23
そして師匠の方を向く。
「紅葉先生、俺も森先生が『子リスちゃん』と言う姿が見たいので混ぜてもらって良いですか!」
「ん?ああ、構わんぞ」
師匠の快い返答に『んじゃあ、藤村と独歩と秋声と泉、あとー、白鳥も追加で!』と田山は結構な人数を追加した。
…というか何気に僕入ってるね??そんでもって正宗に至っては完全に巻き込まれているね?あとで謝りに行こう。
「田山君…!」
庇ってくれると思っていた田山にすら裏切られ森さんはがくっと項垂れた。
「…色んな人が絞首台に掛けられていくよ、国木田」
「そーだな〜」
島崎。呑気にそう言ってるけど、明日は我が身かもしれないよ?まあ、僕も分からないわけだけれども。
「あ、そうだ。ねえねえ、赤毛の君とお下げの上。僕とか秋声とか他の人は?」
『全然話に出てこないけどいるの?』と島崎がW鏡花に聞く。…凄い、自分から絞首台にかけられていったよこいつ。
すると、お下げの上の顔がすっと暗くなった。何処と無くつらそうに見える。
「…どうしたの」
ただならぬ雰囲気を感じた赤毛の君が彼女に尋ねてから、『じゃあ先に話すね』と彼女に気を使った。
「僕のところには確かに門下に徳田もいるし、流行している詩人に島崎藤村もいるし、田山花袋も国木田独歩も聞いたことはあるけどあまり気にしたことないよね」
赤毛の君の『気にしたことない』の一言が心にグサグサ刺さる。はいはい、僕なんてどうせ場所が変わればただのモブだよ…。
そういじけながら横目で島崎の様子を伺うと、対して変わらない様子でノートにメモを取っていた。
…何でこいつこんなに精神力強いの??
少し驚いたところで、そう言えば、芥川さんにどんなに酷く突き返されても、その翌日にはまた芥川さんに取材に行く強靭な精神の持ち主だったな…、と気づく。
国木田も見た感じ一つもダメージを受けていないようだ。もうやだこの取材組、精神強すぎ…。
絶対精神詐欺しているだろ。
ちなみに田山は少しダメージを受けているようだった。あ、良かった。仲間がいて。
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あにまるせらぴー(*´∀`)(プロフ) - 続き楽しみです!頑張ってください!(*´`) (2021年7月9日 0時) (レス) id: 99283ce527 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:皓月@司書兼指揮官 | 作成日時:2018年8月17日 18時