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『別に、よくある話です。バスケでアキレス腱…えと、足の腱を断裂して、運動が出来なくなった。…でもバスケは私の唯一の誇りだったから、なんとかして関わってたくて。自分のいた女子の方は気まずいから、男子バスケ部のマネージャーとして自分なりに頑張ってきたんです』
「…それで？」
『…それで…』
そう、私は頑張ってきた。
けれど昨日、聞いてしまったのだ。
部室に入ろうとドアノブに手をかけた時、中から後輩の男子部員の声が聞こえた。
「名字先輩さ、無表情でおっかないよな」
「無表情ってか、俺らのこと睨んでるだろ、あれ。いくら昔バスケが得意で全国まで行ってたにしても、俺らに同じもの求めんのは間違ってるよな」
「確かに。お門違いにも程があるってんだよ、あの人」
もちろん、部室には入れなかった。走って職員室に駆け込み、顧問に気分が悪いと嘘をついて逃げるように家に帰った。まあ、資料の提出を忘れて今こんなことになっている訳だけど。
『…お門違い、なんだって私』
「お門違い？」
『自分の理想を他人に押し付けて、出来なければきつく当たるような、最低な人間なの。私、ほんとに自分が嫌い』
ついに、雨が降り出した。予報よりは早いくせに、かなり強い雨。
「娘、名を聞かせてはくれぬか」
『…あなた』
「そうか、ではあなたよ。確かに其方は間違っていたのであろう。しかしな、言うほどでも無いと私は思う。其方は十二分に人間らしいではないか」
『人間、らしい…？』
「おうさ。それとも其方には、其方を中傷した連中に対して罪悪感や自覚でもあったのか？」
はっとした。
私は、睨んでるつもりも無ければ彼らに自分の理想を求めたりなんかしていなかった。言い訳がましいけど、私はマネージャーたらんとしようとしただけだ。威厳を持ってみんなをまとめようとしたけど、バスケに関わっていたい、その一心で希望した役職だったから、やってみてからは右も左も分からずただ突っ走ってきた。その結果が、無愛想なお門違いマネージャーという印象を、部員に与えていただけの話だ。
『…私のこと、慰めてるつもりですか』
「いいや？ただ本心を言ったまでだ」
熱くなる目頭を見せまいと俯くと、ポケットに入っていたスマホが鳴った。
お侍さんから逃げるように画面を見ると、部長からのメッセージだった。
「名字、元気出せ。お前が頑張ってきたのは俺も先生も分かってるから」
「待ってるから、いつでも帰ってこいよ」
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菜穂 - ロシェの双子妹設定でお願いします (2018年6月1日 18時) (
レス) id: 7818562d23 (このIDを非表示/違反報告)
菜穂 - リクエストでロシェの双子の妹とアヴィケブロンとロシェのお話お願いします (2018年6月1日 18時) (レス) id: 7818562d23 (このIDを非表示/違反報告)
七人の小人たち(プロフ) - 鈴々さん» コメントありがとうございます！励みになります(^^) (2018年1月14日 20時) (レス) id: f1c39b5493 (このIDを非表示/違反報告)
鈴々 - あの、モーさんのお話すごい良かったです！とても感動しました！これからも更新頑張って下さい！ (2018年1月14日 17時) (レス) id: 7035b4d7f6 (このIDを非表示/違反報告)
七人の小人たち(プロフ) - ご意見ご感想はこちらにお願いします。荒らし行為等はご遠慮下さい。 (2018年1月3日 22時) (レス) id: f1c39b5493 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マスター | 作成日時：2018年1月3日 19時
