ねえ、お侍さん 佐々木小次郎 ページ33
『あっ！部活の報告書生徒会に提出すんの忘れてた…』
帰宅し、お風呂に入ってしまってから自分の痛恨のミスに気がついてしまった。私は私立穂群原高校バスケットボール部のマネージャーを務めているわけなのだが、あろう事か生徒会にある資料を提出し忘れてしまったのだ。
急いで柳洞寺に連絡し、大の苦手とする生徒会長と電話で交渉。
結果として少しのお咎めを言い渡されて、私は自らあんなことを言ってしまったのだ。
『あのっ！お急ぎのようなら、私柳洞寺まで資料持っていきます！』
ほんとうに馬鹿だと思う。よりにもよって場所は柳洞寺。どういうことかって？
実は私、非常に強力な霊感体質なのだ。
小さい頃から人に見えないものが見えていたし、金縛りにもよくあうし、不思議な体験も沢山してきている。
そして柳洞寺は地元のお寺とだけあって初詣なんかにもよく行くものの、あそこの空気は苦手。なんというか、お寺らしく神聖で清い空気のなかに、どこか禍々しいというか、ドロっとした感じの負の空気が入り混じっている。
まあ、言ってしまったものは仕方がない。いくら不気味な柳洞寺といえど、朝早くに行けば言うほどでもなかろう。うん。そう思って、翌日の午前10時、私は部活の資料を生徒会長に届けるために、柳洞寺に赴くことになった。
翌日、午前9時45分。
柳洞寺の門、そこにはすらっとした長身の、いかにも日本の侍ですと言わんばかりの風貌をした霊が立っていた。
『な…侍って…』
そんなモロな、と口走りかけると、ふとその霊が閉じていた双眼の片方をゆっくりと開け、透き通る紫の瞳で私を見やった。
「ほう…？」
『え』
こっち見た！喋った！その状況にパニックに陥りかけていたその時。
「おい、名字」
『へっ』
「なにを間抜けな声を出している。10時にここに来ると言ったのはそちらだぞ。」
門の内側から生徒会長が現れた。あまりの安堵に、苦手な彼に縋り付くようにへたり込んだ。
「なっ、ちょ、名字！？」
『ご、ごめんなさい…ちょっとびっくりして…』
その後少し時間をおいて落ち着いたあと、資料を渡し要件を終えた。彼に門にいたあの霊について聞こうとも思ったが、私が変な女子生徒であると判を押されれば、バスケットボール部の印象が悪くなる。だからやめておいた。
…それはいいとして…。
『…ねえ』
「…やはり私が見えるか。」
私は息を飲みつつ、その幽霊に話しかけた。
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菜穂 - ロシェの双子妹設定でお願いします (2018年6月1日 18時) (
レス) id: 7818562d23 (このIDを非表示/違反報告)
菜穂 - リクエストでロシェの双子の妹とアヴィケブロンとロシェのお話お願いします (2018年6月1日 18時) (レス) id: 7818562d23 (このIDを非表示/違反報告)
七人の小人たち(プロフ) - 鈴々さん» コメントありがとうございます！励みになります(^^) (2018年1月14日 20時) (レス) id: f1c39b5493 (このIDを非表示/違反報告)
鈴々 - あの、モーさんのお話すごい良かったです！とても感動しました！これからも更新頑張って下さい！ (2018年1月14日 17時) (レス) id: 7035b4d7f6 (このIDを非表示/違反報告)
七人の小人たち(プロフ) - ご意見ご感想はこちらにお願いします。荒らし行為等はご遠慮下さい。 (2018年1月3日 22時) (レス) id: f1c39b5493 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マスター | 作成日時：2018年1月3日 19時
