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ジークフリートに片手で抱えられ、すごいスピードで小太郎くんと弁慶に追いつく。
と、その時。
バシィッという強烈な音と同時に、小太郎くんの腹部にワイバーンの尾が激突した。
「ゔっ、かはっ…」
『小太郎くんっ!!!』
急いで駆け寄って治癒魔術を施すが、効かない。
『なんで…どうして…っ』
「あ…主殿、僕はここまでのようです…どうか、ご武運を…」
『やだ、やだよ小太郎くん、まっ…』
待って、と言い終えないうちに、小太郎くんの霊基は金色の粒子になって宙に消えていく。
『あ…』
「先輩っ!」
ガンッ!!と鈍い音が、真後ろから響く。
はっとして見ると、マシュが盾でワイバーンの強烈な体当たりを防いでいた。
『マシュ…ごめん、いま強化を…』
「ぐっ…いいえ、それより、弁慶さんが…弁慶さんがここから1番奥に見えるワイバーンに宝具でスタン状態を付与し、消滅…しました」
状況報告をしつつ盾で攻撃を防ぐマシュの足は、強烈な攻撃のせいで地面にめり込んでいる。
『嘘…弁慶まで』
「はい…っあとは、きゃ!?」
二体目の体当たりの衝撃で、マシュの体が吹っ飛ばされた。宙に舞った彼女の体は、生い茂る木々に酷い音を立てて打ち付けられ、ズル、と根元まで落ちてくる前に、彼女の霊基は消滅した。
『あ……あ、あ…』
この時、三体いるワイバーンのうち弁慶が動きを止めた1体をジークフリートが仕留めていたが、あなたには気付けるほどの余裕はなかった。
マシュの霊基が消えたことによって、目の前のワイバーンはあなたに向かって牙を向く。
「マスター!」
『…あ、』
ザシュ、と鋭い音がして、緑色をしていた地面に血が吹き飛ぶ。
ジークフリートが、ワイバーン二体の背中を切りつけた音だった。
項垂れるあなたをその大きな背中で守るように、ジークフリートは目前の敵を見据えて構えをとった。
「…マスター、宝具使用の許可をくれ。」
『っわかった、ジークフリート。第三スキル発動!これで竜種のワイバーンに対して優位な攻撃が出来るはず…!』
「ありがとう。では、行くぞ!」
『宝具、発動!お願いジークフリート!!』
両手で剣を構え、詠唱を始めるジークフリート。
その背中は大きくて、自分の小ささを痛感するようで、また息が苦しくなったけど、今は彼に魔力を回すことだけに集中しなくては。
「撃ち落とす!バルムンク!!」
そう、彼が言い放ったと同時に強烈な疾風と魔力が巻き起こり、ワイバーン達を消滅させる。
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菜穂 - ロシェの双子妹設定でお願いします (2018年6月1日 18時) (レス) id: 7818562d23 (このIDを非表示/違反報告)
菜穂 - リクエストでロシェの双子の妹とアヴィケブロンとロシェのお話お願いします (2018年6月1日 18時) (レス) id: 7818562d23 (このIDを非表示/違反報告)
七人の小人たち(プロフ) - 鈴々さん» コメントありがとうございます!励みになります(^^) (2018年1月14日 20時) (レス) id: f1c39b5493 (このIDを非表示/違反報告)
鈴々 - あの、モーさんのお話すごい良かったです!とても感動しました!これからも更新頑張って下さい! (2018年1月14日 17時) (レス) id: 7035b4d7f6 (このIDを非表示/違反報告)
七人の小人たち(プロフ) - ご意見ご感想はこちらにお願いします。荒らし行為等はご遠慮下さい。 (2018年1月3日 22時) (レス) id: f1c39b5493 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マスター | 作成日時:2018年1月3日 19時