確認、そして混乱 ページ4
俺の前で溜息を吐くその人はイレイザーヘッドというらしい
なんだか変わった名前だななんて思ったけど
後から聞けば本名は相澤消太というらしい
そんな彼から聞いたのが
『ヒーロー』『敵』『個性』など俺が生きていた時には聞いたこともない言葉ばかりだった
ヒーローと敵については子供向けの漫画雑誌によくいた存在だというのは知っていたが
どうもこの時代は違うらしくヒーローという職業が存在しているらしい
そしてそれに対しているのが敵といういわゆる犯罪集団ということだ。
俺が襲われたあのモンスターはいわゆるそういった『個性』持ちの敵だったらしいが
人間だったことに驚いたのはこの際置いておこう
それでは『個性』とは何なのか
始まりは中国という国(この国の名前も初めて聞いたが)で発光する赤子が生まれ
それ以来各地で超常が発見されるようになったとか
世界人口の大体がそんな特異体質を持つことで今の超人社会が誕生したらしい
色々聞いた中でそれでも混乱しているが
どうやらここはエレンピオスでもリーゼマクシアでもないらしい
世界が狭いわけでもないので俺の知らない国もあるからと思ったが
アメリカやロシア、俺が今生きている日本という国すら聞いたことがなく
逆に相澤さんのほうでも俺の言った国(というよりは国家)を知らないらしい
「あの、マナは？精霊たちはどうやって生活を？」
「俺の知る限りではマナなんて子供は見たことないが、まあ探せばいると思うが
精霊は・・・そういえばこの前羽が生えて空が飛べる妖精なんて個性はあったが精霊は知らん」
嫌な予感がする
そういえば俺は精霊になったんじゃなかったのか
今の体はどちらかというと生前の体に似ている・・・というよりは若返ったような
募る不安に耐え切れず自身の手を見たとき
俺はこれでもかというくらい目を見開いた
「なんで縮んでんだよ！？」
俺の体はあの時つないだエルの手ほどに小さくなっていた
エル・・・ジュードや皆、そして今も敬愛してやまない兄さん
お元気ですか
ルドガー・ウィル・クルスニク(20)
改め
ルドガー・ウィル・クルスニク(８)
どうやら俺は間違えた
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作者名：白桜 | 作成日時：2018年2月7日 21時
