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参謀は試す ページ6

中也side


「この短期間でかの有名な双黒が私を訪ねるなんて、何事だい?」



抑揚のない声でそう言うのは、数年前よりも大人びた雰囲気を持った参謀のAだ


初めて会った時に進行していた任務は、面白いくらいあっけなく終わった

黒服の動きは勿論、相手の動きも作戦書の通りだったのだ

それはもう気味が悪いくらいに。

任務が終わった後、漸く作戦書に初めから自分の名が入っていたことを疑問に思った

あの任務はあの日、首領に言われて数刻前に参加が決まったものだったのだ

にも拘わらず、組み込まれている自分の名前に身の毛がよだった

Aの異能については後から首領に聞いた

急かどうかなんて、Aには関係なかったのだ


あれからも数回、Aと任務を共にし、多少は話す中になった

こうして部屋を訪ねることも多くはないが、まったくなかったわけではない

机の上に広げた紙に向かっている姿こそ、見慣れたものだ




中也「太宰もきてたのか?」


A「数日前にね。最も彼は首領に言われてきたのだけれど」



そう言って見透かしたような視線を向けるA

すぐに俺が要件を云うのを待っているのだと察した

聡いAのことだ、要件は言わずともわかっているのだろう

以前わかっているのなら本題に入ればいいだろうと言ったことがあったが、「それをすると気味が悪いだろう?」と返された

Aなりの意地があるのかもしれない




中也「太宰の糞から聞いた。俺は今回の任務で重症を負う予定だったと」


A「私は何もしていない。太宰の機転がよかったのだろう」


中也「彼奴が俺の身を案じるとでも?」




肩を竦めてそう言えば、Aはフッと息を漏らした

肯定の意だ




A「君が怪我をすると、その後の作戦に影響があるからね」



Aはそう言うと、手元の紙へ視線を落とした

次の作戦書だろうか

見下ろしてみると相変わらず整然とした字がこれでもかと並んでいる

その文字をゆっくりとなぞると、Aは口を開いた



A「…私はね、君のことが好きだよ」


中也「急になんだ?」


A「君の思考は短絡的で安直だ。太宰なんかとは違ってね。わかりやすくてとても好感がもてる」




意図が読めずに思わず眉が寄る

だけどAはそんなこと気にせずに言葉をつづけた



A「そんな君だから聞こう。もし、太宰が消えたらどうする?」

参謀は知りたい→←参謀は眠る



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琥珀恋歌(プロフ) - え、更新停止ですか!?すっごく面白いんですけど!!えぇー、残念です。また、時期が空いてでも更新してくだされば嬉しいです! (2021年9月12日 22時) (レス) id: 7cd883aad7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エバ。 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年7月3日 0時

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