参謀は恐れる ページ4
Aside
私が恐れること
それは、作戦が失敗すること
それは、味方が死ぬこと
それは、イレギュラーがおこること
それは、異能が見せた悪夢が実現すること
だから私は緻密な作戦を立てる
悪夢と同じ道を辿らないように…
太宰「却説、他人の心配は終わりだ。本題に入ろう」
顔の半分を包帯で隠した太宰は、呆れた視線を向けてきた
生憎だが、呆れているのは私も一緒だ
A「私に君のような秀でた頭脳があればよかったのに」
そうであれば目眩がするような作戦を立てる必要も無い
見たくもない凄惨な未来を見せてくる異能力なんかではなくて、その頭脳があれば…
勿論、意識的に目的の未来を見ることもできる
だけど大半は、寝ている時などに勝手に異能が発動するのだ
そういう時に限って見せてくるのは死んでいく人の姿だ
眠れなくなるのも分かって欲しいものだ
そう思ったが、太宰にそんな仮定は通じない
太宰「無いものねだりはやめたほうがいい」
A「わかってるさ。強請るほど無駄な行為はない」
行動しなければ何も得られないのだ
それは誰よりも心得ていることだ
頭痛のする頭を抑えつつ、僅かに残っているエナジードリンクへ手を伸ばす
しかし、その手は太宰によって止められてしまった
A「離せ、太宰」
太宰「私がわざわざ足を運んだ理由はわかってるはずだ」
A「嗚呼、わかるとも。だが、私が必要としているのは君の身体だけだ。忙しなく回転し、私を嘲笑う脳など要らない」
異能無効化ができればいい
そうすれば悪夢を見ることなく寝ることができるのだ
首領が太宰に頼んだのは私を休ませることだろう
それを考えるならば、太宰の脳は邪魔以外のなんでもない
太宰「幹部を道具扱いするのは君くらいだ」
A「拗ねてるのか?」
太宰「まさか。寧ろ、数少ない君を振り回せる人間であることに喜びを感じているよ」
ニヤリと口角をあげてそう言った太宰
否定できないのが腹立たしい
A「取引しよう。君が君である限り変わらない未来を教える、その代わりに何も言わずにその身を借せ」
太宰「言い方は気になるが…まぁいいさ。取引成立だ」
A「…太宰。遠くない無い未来、君のとなりにいるのはメガネをかけた長身の男だ」
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琥珀恋歌(プロフ) - え、更新停止ですか!?すっごく面白いんですけど!!えぇー、残念です。また、時期が空いてでも更新してくだされば嬉しいです! (2021年9月12日 22時) (レス) id: 7cd883aad7 (このIDを非表示/違反報告)
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