参謀は出会う ページ1
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初めて参謀と顔を合わせたのは、俺がポートマフィアに入ってしばらく経った頃だったーーー
「手前が参謀の
夕闇に染まる倉庫街
数十名の黒服へと指示を飛ばす人影へそう声をかけた
振り向いたのはそれ程年の変わらない、背広を着こなす女だ
参謀は振り返ると闇色の瞳で俺を見据えた
面と向かって見るとどこか浮世離れした印象を受ける
「嗚呼。早かったね、中原中也。作戦実行まで時間がある。目を通しておくように」
平坦な声でそう言うなり、どこからか紙の束を取り出し手渡してきた
どうやら作戦書のようだが、尋常ではない量だ
とてもじゃないが全てを頭に入れることは出来ないだろう
「気負う必要は無い。この作戦は君を中心に筋立てた」
思ったままに動けばいい。参謀は表情ひとつ変えずにそう告げた
ならば自分が読む必要があるのだろうか
そんな思いが一瞬頭を掠めた時、見透かしたように口を開いた
「君以外はこの
「えらく自信があるんだな」
作戦書に目を通すと事細かに指示が書かれていた
ここまで詳細に書かれた作戦書など見たことがない
作戦、というよりはむしろ脚本のようにも見えてきた
「失敗は許されない。肝に銘じろ」
それだけ告げると黒服の集団へと身体の向きを変えた
「1分1秒遅れるな。一挙手一投足違えるな。全てを
何の感情も読み取れない平坦な声でそう告げる参謀
その声に黒服たちが気を引き締めた
初対面の印象を言うならば、至極面倒くさそうな奴だと思った
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琥珀恋歌(プロフ) - え、更新停止ですか!?すっごく面白いんですけど!!えぇー、残念です。また、時期が空いてでも更新してくだされば嬉しいです! (2021年9月12日 22時) (レス) id: 7cd883aad7 (このIDを非表示/違反報告)
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