Fascination × Kazuma Kawamura step5

Fascination × 237 ページ37

・









・









・









家につけば誰よりもはやくずかずかと入り込んで

私の部屋まで引っ張られる。

部屋の片隅に私の荷物と自分の荷物を放り投げると

私の上に着てたシャツと透けてるドレスを脱がせて

無言で私に詰め寄る。





壱馬「なんでこんな露出多いの選んだん？」




A「えと、....かわいくて、...」




壱馬「臣さんのライブやで？男の人いっぱいおるねんで？なぁA？」




A「..........は、はぃ....」





比較的穏やかに過ごしてたから

彼のこんな感情の起伏なんてあまり見て来なかった。

瞳の奥にゆらゆらと燃える彼の熱が

山彰さんか誰かに禁止令出されたはずだけど

見えた気がした。





壱馬「こんな足だして、」




A「..........っ、！」




壱馬「もといAはバンドメンバーさんのひとりで呼ばれてんやろ？」




A「.......そうです、...」




壱馬「ずっと臣さん臣さんやもんな？俺おるのに、」





昨日は俺のこと追っかけて来てくれないし

リビングで健さんと楽しそうに話してた

朝の楽屋では翔平から離れないし

今日のセットは慎にやってもらって満更じゃなさそうな顔してた

ライブ終わって１番の俺のところ来ないし、


細めた目と不貞腐れた表情で

この２日間のことをひとつひとつ話す彼。

そんなのただの、ねぇ？





A「嫉妬した？」




壱馬「..........」




A「ごめんね、」





静かに顔を縦に振った。

なんともかわいらしくて

飼い主に置いてかれた犬みたいで

愛おしくて。





A「..........っわ、！」




壱馬「俺の機嫌、どうにかしてや」





一歩、一歩、と下がっているうちに

後ろがベッドになって思わず倒れ込んだ

すかさず彼が上に重なって

でも頭の下に手を滑り込ませる彼は

こんな時でもすごく優しい人なんだ。





壱馬「そうやなぁ、山彰さんから禁止令出てるからなぁ」




A「..........壱馬？」




壱馬「もうその気やろ？」




A「いやまだ、やったばっかり、....」




壱馬「何するかなんてまだ俺一言も言ってないで？」





さっきまでの不貞腐れた彼はどこかへ

意地悪そうに口角を上げた。





壱馬「俺から手出さなきゃいい話やろ？」




A「..........え、....」




壱馬「寂しかったなー、臣さんにべたべたしてたの嫌やったなー、」




A「..........」




壱馬「.......満たして？」








・









・

Fascination × 238→←Fascination × 236

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す