守りたいもの

8話 ページ9

A「私も.....

こうやって夜さんの体温を感じると.....

夜さんの優しさに包まれているようで

身体も心も暖まります」


夜「そう.....？」


A「はい。..........夜さん...」


夜「ん？」


呼ばれて彼女に目線を移すと
月を見上げている彼女


月明かりに浮かぶ彼女の横顔はとても綺麗で



A「夜さん...私.....


.....あの時、夜さんが居なかったらきっと私...


パティシエの夢諦めていました.....


一番ツラい時...夜さんが側で支えて下さったから...


今の私が居るんだと思います.....」



夜「ううん。


Aがツラい時...頼ってくれる事が...


俺は.....嬉しいんだ.....


こんな俺でもAの力になれて...嬉しいんだ」


彼女はゆっくりと視線を月から俺に向けて


A「夜さん...こんな...なんて言わないで下さい」


寂しそうに俺を見つめる瞳には涙が溜まって


夜「.....A.....泣いてる？」


ごめんね...と自分の胸に抱き寄せて


ううんと首を振る彼女




それからしばらく会話もなく静かな時が流れて





………………………………………………………………


駆「なんか.....いい雰囲気だね...」


凛「うん.....あんなお姉ちゃん.....初めて見た」



偵察隊の二人は扉の隙間から二人の様子を見て



駆「あれ？...凛も泣いてる？」


凛「.....泣いてないよ！ばか！」


よしよしと頭を撫でて


凛「..........」

9話→←7話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す