むしろ好都合 ページ13
私たちに向かって黒光りする無数の刃が一斉に放たれる。突然のことで動けなかった私を抱え、猛然と襲ってきたそれらを未来さんは次々といなしていく。その攻撃の間を置かずに真正面から飛びかかってきたVさんだったが、未来さんはそれをもギリギリのところで躱した。
V「まさかこれを全て避けきるとはね。君、なかなかやるじゃん」
未来「ったりめーだ。普段の鍛錬に比べたらこんなの・・・」
と次の瞬間何かを引き裂いたような音が聞こえ、辺りに鮮血が飛び散った。
未来「がッ・・・!」
RM「敵陣の真っ只中で気を抜くのは得策ではないですよ」
突如現れたRMさんはそう呟いた後、未来さんの背中を容赦なく蹴りつけた。未来さんに抱えられていた私も巻き添えを食らい、私たちは盛大に壁に叩きつけられた。
「っ・・・」
未来「いってぇ・・・」
「ッ!!未来さん大丈夫ですか!?」
痛みを感じながらも身体を起こした私は、その光景に目を瞠る。未来さんの背中に大きな切り傷ができそこから血がドクドクと大量に流れ出ていた。素人が見ても分かるその危険な状態に、私はみるみる青ざめていく。
そんな・・・。未来さんが、死んじゃう・・・!
V「わーお。随分と派手に吹っ飛んだね」
RM「あれでも手加減した方だけどね。・・・さて、さっさと終わらせよう。俺たちの邪魔をする危険分子は早く潰すに限る」
V「フフフッ、りょーかーい」
確実にトドメを刺そうと、こちらへと近づく2人。このままでは私はともかく・・・、未来さんは、恐らく殺されてしまうだろう。
「・・・未来さん。私を置いて逃げてください」
未来「・・・わざわざ君を助けにここまで来たのに、それはねぇだろ」
「でも私を抱えて闘うのは無理ですよッ・・・!それに、私のせいでそんな大怪我を・・・!」
未来「そんなの気にすんなって。・・・むしろこの状態の方が、俺にとっちゃ好都合だ」
「え・・・?」
そう言って目の前の2人を見据える未来さん。
___その目は、とても手負いの人とは思えないほど紅く爛々と輝いていた。
243人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「LDH」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
萌 - 続き見てたいです。 (9月4日 16時) (レス) id: 3f0e2c3cfb (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 続き楽しみにしてます (2022年6月20日 12時) (レス) @page32 id: 411e2cf0cf (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - お久しぶりの更新ですね(;_;)/~~~現在私はスノーマンにハマってすっかりスノーマンの作品ばかり書いています汗でもLDHの作品も好きです!!これからも頑張ってください(>_<) (2022年3月11日 19時) (レス) @page25 id: c060af3ed8 (このIDを非表示/違反報告)
流大勝和(プロフ) - めちゃくちゃ続きが気になります!! (2021年12月20日 22時) (レス) id: 38b8bea7e4 (このIDを非表示/違反報告)
樽美酒みき(プロフ) - いつぐらいしたら更新をしてくれますか? (2021年12月14日 16時) (レス) id: 86fc452f95 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:竜の騎士 | 作成日時:2021年8月29日 14時