絶望 ページ49
JM「さっきぶりだねA。・・・んふふ、逃げようとしたからボロボロになってる」
身体中噛まれて血だらけの私を見て、彼は他人事のように笑った。
「どうして・・・。あなたは、私の味方では・・・」
JM「いい加減事実を受け入れなよ。僕は君の味方なんかじゃない。こういうことをしたのは、君が絶望するところを見たかっただけなんだ」
「最初から、逃すつもりはなかった、と・・・」
JM「当たり前でしょ。幻の血は一生をかけても口に出来るか分からない、吸血鬼にとって最高のご馳走なんだ。そんな貴重な存在をみすみす逃しはしないよ」
JIMINさんがこちらに近づき、床に座り込んでいる私と同じ目線までしゃがみ込んで私の耳元に囁く。
JM「最初からAがここで暮らすのは決定済みだったんだよ。だからAは僕らの餌としてここに留まる運命なんだ。___君が死ぬまで、永遠にね」
その言葉は、私を絶望に突き落とすのに充分だった。その一言で私の中の何かが壊れ、目から涙が止めどなく溢れていく。
そん、な・・・。信じて、たのに・・・。
JH「おお〜。やっと心が壊れ始めてきたねぇ」
SG「まだ自我が完全に崩壊するまで時間がかかるがな。まぁ“教育”していけば俺たちに口答えしたり反抗したりすることも出来なくなるだろうよ」
V「ヒヒッ、今回はどれだけ持つかなぁ?」
精神がズタボロになっている私を、まるでショーを見るかのように愉しげに見ている吸血鬼たち。すると不意にJIMINさんに顎を掴まれ、私は無理矢理顔を上げられる。鮮やかな紅に染まった彼の瞳と目が合う。
JM「ククク・・・。なんの疑念も持たずに僕を信じて逃げようと行動を起こすなんて、君も中々哀れだね」
完全に私を見下したその発言は、今まで私に向けられていた優しさなどどこにもなかった。
JM「信用していた僕に裏切られて苦しい?でも大丈夫、これからは何も考えなくていい。___どうせ君には血を捧げる以外に何も期待していないんだから」
甘くねっとりとした声色でさらに絶望を掻き立てるように囁き、JIMINさんは口を開けて鋭い牙をギラリと覗かせる。
JM「友達ごっこは終わりだよ。“ちっぽけなお人形さん”♪」
そして彼の牙が私の首筋に迫ろうとしたその時___
?「___この性悪吸血鬼が。汚い手でその子に触れるんじゃねぇよ」
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樽美酒みき(プロフ) - 後どのくらいで「シリーズ3」の更新をやってくれますか? (2022年1月12日 11時) (レス) id: 86fc452f95 (このIDを非表示/違反報告)
竜の騎士(プロフ) - えりりんさん» わわ、読んで頂きありがとうございます!まだ形にはできていないですが、新作も考えているので楽しみにしてください^_^ (2021年12月25日 9時) (レス) id: 796a1a3707 (このIDを非表示/違反報告)
えりりん(プロフ) - この話ほんとに大好きで、リピして読んじゃいます‼︎また新作作って欲しいです☺︎ (2021年12月24日 0時) (レス) id: 1e51f37598 (このIDを非表示/違反報告)
童磨(プロフ) - 続きが気になります!! (2021年7月27日 20時) (レス) id: ce28b5a547 (このIDを非表示/違反報告)
高崎はる(プロフ) - 良かったです、バリは利樹がちょっと出たけど、更新楽しみにしてますね (2021年7月17日 19時) (レス) id: 7c69a541ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:竜の騎士 | 作成日時:2021年7月16日 13時