一緒に逃げましょう ページ46
そしてJIMINさんと脱出計画を練ってから2日後。BTSがLDHに襲撃するその日、私はJIMINさんから“準備が出来るまで僕の部屋で待機していてほしい”と言われておりベッドの上で蹲っていた。
ちなみにJIMINさん以外の6人はもう既に外に出ており、今城にいるのは私とJIMINさんだけだった。
するとしばらくして足音が聞こえたと同時に扉が開かれ、JIMINさんが顔を出して私を呼んだ。
JM「A、準備は整ったよ。さぁ今のうちに早く。昨日教えた道の通りに進めばLDHの管轄にあたる地区だから、そこへ辿り着けはもう大丈夫だよ」
「・・・JIMINさん。私と一緒に逃げましょう」
あれからずっと考えていたが、やっぱり私はJIMINさんを残して逃げたいとは思えなかった。確かに彼はたくさんの人を殺して来ただろうが、最初からそんなことはしたくなかったはずだ。現に、彼はこうして私を逃そうとしてくれている。・・・こんなに優しい人を、ここに置いてなんか行けない。
しかしそんな我儘な私の願いは叶わず、JIMINさんは首を横に振る。
「っ、どうして・・・!」
JM「ありがとう、僕なんかを心配してくれて。・・・でもごめん。Aと一緒に行くことは出来ない。僕はAが最後まで逃げられるように、ここに留まって他のメンバーを欺く作業をしないといけないんだ」
「で、でもっ・・・!」
JM「Aの思ってる通り、全てが終わってメンバーがここに帰って来たら・・・、下手したら僕は殺されるだろうね。でもそれでいいんだ。・・・BTSの言いなりになって人を殺してきた僕に、相応しい“最期”だ」
全てを諦めたように淡々と語るJIMINさん。その表情は儚く、今にも消えてしまいそうだった。
JM「Aがそう言ってくれるのは嬉しいけど、残念ながらそれに応えることは出来ない。・・・本当に、ごめんね」
「う、うぅ・・・。JIMIN、さん・・・、ひぐっ」
JM「ほら早く逃げて!ぐずぐずしてると他のメンバーが戻ってきちゃう!」
「・・・はい。JIMINさん、今までありがとうございました」
彼の一喝で、私はもうJIMINさんを諦めるしかないと察した。そしてこれまで陰ながら守ってくれたことに感謝を伝えた私は、部屋から飛び出していった。
___溢れる涙を、必死に堪えながら。
140人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ファンタジー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
樽美酒みき(プロフ) - 後どのくらいで「シリーズ3」の更新をやってくれますか? (2022年1月12日 11時) (レス) id: 86fc452f95 (このIDを非表示/違反報告)
竜の騎士(プロフ) - えりりんさん» わわ、読んで頂きありがとうございます!まだ形にはできていないですが、新作も考えているので楽しみにしてください^_^ (2021年12月25日 9時) (レス) id: 796a1a3707 (このIDを非表示/違反報告)
えりりん(プロフ) - この話ほんとに大好きで、リピして読んじゃいます‼︎また新作作って欲しいです☺︎ (2021年12月24日 0時) (レス) id: 1e51f37598 (このIDを非表示/違反報告)
童磨(プロフ) - 続きが気になります!! (2021年7月27日 20時) (レス) id: ce28b5a547 (このIDを非表示/違反報告)
高崎はる(プロフ) - 良かったです、バリは利樹がちょっと出たけど、更新楽しみにしてますね (2021年7月17日 19時) (レス) id: 7c69a541ff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:竜の騎士 | 作成日時:2021年7月16日 13時