明後日に備えて ページ45
しかし一瞬そう思った束の間、私は高ぶる気持ちを抑えて冷静に考え直す。
「ちょっと待ってください。いくら見張りをJIMINさんに一任しているとはいえ・・・。他の人たちは警戒していますよね?それこそ能力で私が逃げようとしていることに気づかれたら・・・」
JM「その心配はないよ。もしそうなっても他のメンバーの力を妨害する能力が僕にはあるから、Aが逃げ出そうとしていることはいくらでも誤魔化しがきく。それに、僕がAを逃そうとしてることは誰にも気づかれてないから大丈夫。だから安心して」
「ホッ・・・。それなら良かったです」
その説明で私はやっと心の底から安堵し胸を撫で下ろす。これでやっとFANTASTICSの元へ帰れるのか・・・。まぁ私の帰るところは元の世界なんだけど、それにはBTSから逃げおおせてFANTASTICSにまた保護してもらわなければならない。
少し時間はかかるけど、早くFANTASTICSの人たちに会いたいな・・・。
JM「一応、Aにはこの城の構造を教えておくよ。いざ逃げようとして道が分からなかったら困るでしょ?」
「え・・・。その、JIMINさんは一緒について来てくれないんですか?」
JM「僕はさっき言ったようにAがここにいるという細工をするから・・・。一緒には行けないかな」
「・・・その細工が終わったら、どうするんですか?」
JM「どうもしないよ。・・・ただこの城に留まるだけ」
それって・・・、仮に私が脱出出来ても彼が危ないのでは・・・。
いくら能力で誤魔化しても、本人たちが帰ってきたら私がいないことにすぐに気づくはず。リーダーのRMさんはおろか、他のメンバーも“貴重な餌を逃した”としてJIMINさんを責める姿が容易に想像出来た。
・・・いや、恐らく責めるだけでは終わらないだろう。以前RMさんの命令に逆らった時は酷い拷問を受けたと言っていたから、そうなるとJIMINさんは・・・。
「JIMINさん、本当にそれでいいんですか?このままだとあなたは・・・」
JM「・・・僕の心配はしなくていいから。ほら、Aは明後日に備えてここでゆっくり休んでおいて」
何とか力になれないかと、私はそう問いかけたが___JIMINさんは悲しそうな表情で笑うだけだった。
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樽美酒みき(プロフ) - 後どのくらいで「シリーズ3」の更新をやってくれますか? (2022年1月12日 11時) (レス) id: 86fc452f95 (このIDを非表示/違反報告)
竜の騎士(プロフ) - えりりんさん» わわ、読んで頂きありがとうございます!まだ形にはできていないですが、新作も考えているので楽しみにしてください^_^ (2021年12月25日 9時) (レス) id: 796a1a3707 (このIDを非表示/違反報告)
えりりん(プロフ) - この話ほんとに大好きで、リピして読んじゃいます‼︎また新作作って欲しいです☺︎ (2021年12月24日 0時) (レス) id: 1e51f37598 (このIDを非表示/違反報告)
童磨(プロフ) - 続きが気になります!! (2021年7月27日 20時) (レス) id: ce28b5a547 (このIDを非表示/違反報告)
高崎はる(プロフ) - 良かったです、バリは利樹がちょっと出たけど、更新楽しみにしてますね (2021年7月17日 19時) (レス) id: 7c69a541ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:竜の騎士 | 作成日時:2021年7月16日 13時