ついに居場所が分かった！ ページ43
？「で、でか･･･。こんなところに城があったのか」
その大きさに圧倒されながら、俺は城の隅々まで観察してみる。
城の外壁や装飾を見たところ、この城はかなりの大昔に建てられたもののようだ。立派な模様が彫られていることから貴族が住んでいたようだが、人がいなくなって長い年月が経つのか外壁は苔に包まれ庭も雑草が伸び放題だった。
？「使われなくなった城、か。･･･いかにも血迷い者たちが捕らえた人間を連れ込んでいそうだな」
もちろんこういう場所は血迷い者だけではなく、強盗や殺人などを犯した他の犯罪者たちの隠れ蓑にもなる。放って置くと犯罪の温床になってしまうので、即座に取り壊すべきだろう。まぁ先ずはここにいる血迷い者らしき奴らを制圧するのが先なのだが･･･。
すると隣で息を飲むような音がする。見ると、目を丸くしている相棒の姿があった。
？「あっ･･･！」
？「っ！また何か聞こえたのか？」
？「･･･“元の世界に帰りたい”って･･･。間違いない、ここにいるのは渡航者の人だよ！」
それを聞いて俺は驚きに目を見開く。
＿＿＿“元の世界に帰りたい”＿＿＿
確かにそんなことを考えるのは別の世界から来た渡航者以外ありえない。
俺たちはついに、渡航者の居場所を突き詰めることに成功したのだ。
？「それなら早速突撃･･･と言いたいところだが、このまま何の準備もなしに突っ込むのは危険だな」
？「そうだね。相手は凶悪な吸血鬼7人。能力持ちとはいえ、人間の僕ら2人だけで突撃したら返り討ちに遭うのがオチだ」
それでなくても、奴らにFANTASTICSの吸血鬼メンバーが2人もやられている。ならばここは大人しく引き下がって準備してから突入するのが妥当だ。そう考えた俺たちはそこにいるであろうBTSに悟られないように、静かにその場から立ち去った。
？「早く戻って仲間たちにこのことを伝えるぞ。それと、渡航者を救出する作戦も考えないとな」
？「あそこにいたBTSという奴らの声も聞いたからどう対処すればいいか分かるよ。作戦を考えるのは任せて」
こうしてこの後の指針を定めた俺たちは、来た道を全走力で駆けて戻っていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 140人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
樽美酒みき(プロフ) - 後どのくらいで「シリーズ3」の更新をやってくれますか？ (2022年1月12日 11時) (
レス) id: 86fc452f95 (このIDを非表示/違反報告)
竜の騎士(プロフ) - えりりんさん» わわ、読んで頂きありがとうございます！まだ形にはできていないですが、新作も考えているので楽しみにしてください^_^ (2021年12月25日 9時) (レス) id: 796a1a3707 (このIDを非表示/違反報告)
えりりん(プロフ) - この話ほんとに大好きで、リピして読んじゃいます‼︎また新作作って欲しいです☺︎ (2021年12月24日 0時) (レス) id: 1e51f37598 (このIDを非表示/違反報告)
童磨(プロフ) - 続きが気になります！！ (2021年7月27日 20時) (レス) id: ce28b5a547 (このIDを非表示/違反報告)
高崎はる(プロフ) - 良かったです、バリは利樹がちょっと出たけど、更新楽しみにしてますね (2021年7月17日 19時) (レス) id: 7c69a541ff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：竜の騎士 | 作成日時：2021年7月16日 13時
