トラウマ ページ35
「っ・・・!」
Vさんの姿を見た瞬間、脳内で先日彼に傷つけられた光景がフラッシュバックし、私の身体が金縛りにあったように動かなくなる。どうやら先日の“人形遊び”で、完全にVさんがトラウマになってしまったらしい。
そんな私を、彼は愉しげに見つめながらゆっくりと近づいて来る。
V「最近会ってなかったけど随分と元気そうだねぇ。それなら僕と遊んでくれる?」
「え、遠慮、します」
V「もー、つれないな・・・。というかAちゃんどこに行こうとしてるの?」
「その、JINさんの部屋に・・・。“食事”で呼ばれてるので・・・」
V「ふーん、そうなんだ。せっかくAちゃんの血を飲もうと思ったんだけどなぁ」
・・・彼の“食事”は血を吸うだけでは絶対に終わらない。ここで捕まったら、またあの時のような地獄を味わうことになるのだろうか。それだけは絶対に嫌だ・・・!
「あの、もう行きます。JINさんが待ってるので・・・」
V「逃がさないよ?」
一刻も早くこの場を立ち去ろうとするも、Vさんに腕を掴まれてしまう。
「は、離してください・・・!早くJINさんのところに行かないと・・・」
V「でも僕もお腹が空いてるんだよねぇ〜。だから・・・。血、ちょーだい?」
温もりを感じられない彼の指先が、私の首にゆっくりと纏わりつく。
「い、や・・・」
そしてVさんが私の首に喰らい付こうとしたその時___
?「まーたそうやって怖がらせて。そんなんだからAちゃんに避けられるんだよ」
「え・・・?」
V「ちぇっ、いいところだったのに」
不意にかけられた声に、諦めたように私から離れるVさん。Vさんの視線の先を見てみると、そこには壁に寄りかかっているJINさんの姿があった。
JN「来るのが遅いから様子を見にきたけど、やっぱりVに捕まってたか。ったくお前、女の子には優しくしろと言ってるのに・・・」
V「なんで優しくする必要があるの?人間なんか所詮は“玩具”。どうするかは僕の勝手でしょ」
JN「人間を徹底的に物扱いする、お前のその態度は相変わらずだね。でも・・・」
その瞬間JINさんから凄まじい殺気が放たれ、Vさんはその殺気に気圧されたように後ずさる。
JN「次、Aちゃんを傷つけたら許さないからな」
その目は、仲間に向けるものとは思えないほど恐ろしく冷たかった。
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樽美酒みき(プロフ) - 後どのくらいで「シリーズ3」の更新をやってくれますか? (2022年1月12日 11時) (レス) id: 86fc452f95 (このIDを非表示/違反報告)
竜の騎士(プロフ) - えりりんさん» わわ、読んで頂きありがとうございます!まだ形にはできていないですが、新作も考えているので楽しみにしてください^_^ (2021年12月25日 9時) (レス) id: 796a1a3707 (このIDを非表示/違反報告)
えりりん(プロフ) - この話ほんとに大好きで、リピして読んじゃいます‼︎また新作作って欲しいです☺︎ (2021年12月24日 0時) (レス) id: 1e51f37598 (このIDを非表示/違反報告)
童磨(プロフ) - 続きが気になります!! (2021年7月27日 20時) (レス) id: ce28b5a547 (このIDを非表示/違反報告)
高崎はる(プロフ) - 良かったです、バリは利樹がちょっと出たけど、更新楽しみにしてますね (2021年7月17日 19時) (レス) id: 7c69a541ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:竜の騎士 | 作成日時:2021年7月16日 13時