検索窓
今日:15 hit、昨日:8 hit、合計:40,783 hit

トラウマ ページ35

「っ・・・!」



Vさんの姿を見た瞬間、脳内で先日彼に傷つけられた光景がフラッシュバックし、私の身体が金縛りにあったように動かなくなる。どうやら先日の“人形遊び”で、完全にVさんがトラウマになってしまったらしい。
そんな私を、彼は愉しげに見つめながらゆっくりと近づいて来る。



V「最近会ってなかったけど随分と元気そうだねぇ。それなら僕と遊んでくれる?」

「え、遠慮、します」

V「もー、つれないな・・・。というかAちゃんどこに行こうとしてるの?」

「その、JINさんの部屋に・・・。“食事”で呼ばれてるので・・・」

V「ふーん、そうなんだ。せっかくAちゃんの血を飲もうと思ったんだけどなぁ」



・・・彼の“食事”は血を吸うだけでは絶対に終わらない。ここで捕まったら、またあの時のような地獄を味わうことになるのだろうか。それだけは絶対に嫌だ・・・!



「あの、もう行きます。JINさんが待ってるので・・・」

V「逃がさないよ?」



一刻も早くこの場を立ち去ろうとするも、Vさんに腕を掴まれてしまう。



「は、離してください・・・!早くJINさんのところに行かないと・・・」

V「でも僕もお腹が空いてるんだよねぇ〜。だから・・・。血、ちょーだい?」



温もりを感じられない彼の指先が、私の首にゆっくりと纏わりつく。



「い、や・・・」



そしてVさんが私の首に喰らい付こうとしたその時___



?「まーたそうやって怖がらせて。そんなんだからAちゃんに避けられるんだよ」

「え・・・?」

V「ちぇっ、いいところだったのに」



不意にかけられた声に、諦めたように私から離れるVさん。Vさんの視線の先を見てみると、そこには壁に寄りかかっているJINさんの姿があった。



JN「来るのが遅いから様子を見にきたけど、やっぱりVに捕まってたか。ったくお前、女の子には優しくしろと言ってるのに・・・」

V「なんで優しくする必要があるの?人間なんか所詮は“玩具”。どうするかは僕の勝手でしょ」

JN「人間を徹底的に物扱いする、お前のその態度は相変わらずだね。でも・・・」



その瞬間JINさんから凄まじい殺気が放たれ、Vさんはその殺気に気圧されたように後ずさる。



JN「次、Aちゃんを傷つけたら許さないからな」



その目は、仲間に向けるものとは思えないほど恐ろしく冷たかった。

自分で言います・・・?→←次の“食事”



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (45 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
140人がお気に入り
設定タグ:FANTASTICS , LDH , ファンタジー   
作品ジャンル:ファンタジー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

樽美酒みき(プロフ) - 後どのくらいで「シリーズ3」の更新をやってくれますか? (2022年1月12日 11時) (レス) id: 86fc452f95 (このIDを非表示/違反報告)
竜の騎士(プロフ) - えりりんさん» わわ、読んで頂きありがとうございます!まだ形にはできていないですが、新作も考えているので楽しみにしてください^_^ (2021年12月25日 9時) (レス) id: 796a1a3707 (このIDを非表示/違反報告)
えりりん(プロフ) - この話ほんとに大好きで、リピして読んじゃいます‼︎また新作作って欲しいです☺︎ (2021年12月24日 0時) (レス) id: 1e51f37598 (このIDを非表示/違反報告)
童磨(プロフ) - 続きが気になります!! (2021年7月27日 20時) (レス) id: ce28b5a547 (このIDを非表示/違反報告)
高崎はる(プロフ) - 良かったです、バリは利樹がちょっと出たけど、更新楽しみにしてますね (2021年7月17日 19時) (レス) id: 7c69a541ff (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:竜の騎士 | 作成日時:2021年7月16日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。