人間の苦しみは蜜の味 ページ25
チクリと首筋に走る痛み。何度目かの吸血に私は身を固くしてジッとするしかない。下手に抵抗すれば、彼に何をされるか分からないからだ。
すると血を啜っていたJ-HOPEさんが、私の首筋に埋めていた顔を上げる。
JH「なるほど･･･。初めて幻の血を飲むけどこんなに美味しいんだね。Vが我を忘れて吸血する気持ちが分かるよ」
「もう･･･、ダメ･･･」
JH「ん？」
「もう限界ですっ･･･。ここから出してくださいっ･･･！」
抜け出すことの出来ないこの空間と捕まる度に血を吸われる苦痛に、私のメンタルは崩壊寸前で涙ながらにそう彼に訴える。
するとそんな私を、J-HOPEさんはうっとりとした表情で見つめる。
JH「ああ･･･。Aちゃんのその表情、すっごく好きだよ」
「え･･･？」
JH「僕、人間が苦しむのを見るのが大好きなんだよね。特に女の子の泣き顔が好みなんだけど･･･、Aちゃんのその泣き顔はとってもそそられるんだよ。もっと傷つけたいって思うほどにね」
恍惚とした笑みで語るJ-HOPEさんに、私は恐怖で何も言葉が出なかった。この人、狂ってる･･･！
JH「ここから出してって言われると更にいじめたくなるよ。もうしばらくこの空間に閉じ込めておこうかなぁ」
「そ、そんな･･･！」
JH「･･･なーんてね」
おもむろにJ-HOPEさんが指を鳴らすと暗い空間はなくなり、どこかの部屋の床に私は座り込んでいた。
「ここ、は･･･」
JH「僕の部屋だよ。流石にこれ以上いじめたらAちゃんが壊れそうだからここまでにしてあげる」
「･･･いいんですか？」
JH「あれ、もっと僕と鬼ごっこしたかったのかな？」
急に解放してくれたことに疑問を抱いていると、意地悪そうに聞いてくるJ-HOPEさん。またあの恐怖の鬼ごっこを再開しようとする彼に私は慌ててかぶりを振った。
「いえ結構です！！では失礼しました！！！！」
そして部屋の扉に体当たりして開けた私はそのままJ-HOPEさんから逃げるようにして部屋を後にした。
JH「あーあ行っちゃった。･･･もう少しここにいてればこれ以上痛い目に遭わずに済んだかもしれないのにね」
＿＿＿後ろで彼がそう囁いていたとは知らずに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 140人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
樽美酒みき(プロフ) - 後どのくらいで「シリーズ3」の更新をやってくれますか？ (2022年1月12日 11時) (
レス) id: 86fc452f95 (このIDを非表示/違反報告)
竜の騎士(プロフ) - えりりんさん» わわ、読んで頂きありがとうございます！まだ形にはできていないですが、新作も考えているので楽しみにしてください^_^ (2021年12月25日 9時) (レス) id: 796a1a3707 (このIDを非表示/違反報告)
えりりん(プロフ) - この話ほんとに大好きで、リピして読んじゃいます‼︎また新作作って欲しいです☺︎ (2021年12月24日 0時) (レス) id: 1e51f37598 (このIDを非表示/違反報告)
童磨(プロフ) - 続きが気になります！！ (2021年7月27日 20時) (レス) id: ce28b5a547 (このIDを非表示/違反報告)
高崎はる(プロフ) - 良かったです、バリは利樹がちょっと出たけど、更新楽しみにしてますね (2021年7月17日 19時) (レス) id: 7c69a541ff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：竜の騎士 | 作成日時：2021年7月16日 13時
