吸血鬼FANTASTICS！2

吸血鬼の事情 ページ19

急に後ろから声をかけられ、振り向くとそこにいたのは＿＿＿



大樹「NAOTOさん･･･！」



EXILEの大先輩で、俺が吸血鬼になった後も何かとサポートしてくれていたNAOTOさんだった。最近は例の事件の対処に追われて会えていなかったが、特に変わりはないようだ。



世界「NAOTOさんお久しぶりです。今日の会合には、大樹も連れて来ました」

NA「長いこと姿を見なかったから心配してたけど、元気そうでよかったよ〜。･･･でも、大樹は外に出て大丈夫なの？」

大樹「はい、いろいろあって以前のように吸血衝動が起きなくなったので」

NA「えっ、そうなの！？でも吸血衝動って治るものじゃなかった気がするけど･･･」



NAOTOさんの言う通り、吸血衝動は治療でどうにかなるものではない。そもそも事例が多くなく、そのメカニズムは謎に包まれていて対処のしようがないのだ。



ただここ数年で分かったことによると先天的に生まれた吸血鬼にはそれは見られず、俺のように人間から吸血鬼になった者は必ず吸血衝動が出てしまうらしい。その為、現在LDH内では人間を吸血鬼化させることを完全に禁止する措置をとる動きがあるそうだ。



話が逸れたが、俺が凶暴化しなくなったのは恐らくAの幻の血のおかげだと思う。そのことをNAOTOさんに報告しようとしたが･･･。



世界「そのことについては、今日の会合で話します。ここではあれなので･･･」

NA「あ、なるほど･･･。他の奴らに聞かれたらマズいってことね」



周りを警戒している世界さんを見て、俺は慌てて口を噤む。危ない危ない、こんな誰が聞いてるか分からない状況で言うことじゃないな･･･。



NA「ところでさ･･･、大樹、大丈夫？緊張してるよね？」

大樹「え･･･？」

NA「･･･人間から吸血鬼になって肩身が狭いと思っているかもしれないけど、気にしなくていいからね。大樹は俺たちEXILEの大切な“仲間”なんだから」

大樹「っ･･･。はい･･･！」



そう言いながら俺の頭を優しく撫でるNAOTOさんの手は人間だった時は冷たかったが、吸血鬼になった今ではとても温かく感じられた。

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