地獄の始まり ページ15
「まっ、待ってくださ・・・!」
SG「待たねぇよ。大人しくしてろ」
突然の変貌に驚いてすかさず距離を取ろうとするも、あっさり彼に捕まってしまう。そして___
ガブッ
「痛ッ・・・!」
逃げられないように私の頭を固定し、首筋にSUGAさんが勢いよく噛み付く。鮮血を求めて食い込んでくる彼の牙に、私の目から恐怖なのか痛みによるものなのか分からない涙が流れる。するとしばらく血を飲んで彼は満足したのか、私の首筋から牙を抜く。急に噛まれたことで腰を抜かした私は、そのまま床に崩れ落ちた。
SG「はぁ、美味い・・・。今まで吸ってきた奴らの中にも良質な血を持っている者は何人かいたが・・・。そいつらよりもお前の血は遥かに格別だな」
「SUGA、さん・・・。確か、首からの吸血は、禁止されているはず・・・」
前に澤さんが、首に噛み付くだけでも罪になるって・・・。しかし私が息も絶え絶えにそう言ったところで、彼は嘲るように鼻で笑うだけだった。
SG「はっ、そんな下らないルールにLDHとやらの吸血鬼は従ってるのか。・・・いいか、人間は結局のところ吸血鬼の食糧でしかない。どこから吸血するのかを決めるのは、俺の勝手だ」
その口調から、本当に私を“餌”としか見てないことが嫌というほどに伝わる。吸血される度にこんな地獄のような痛みを味わわないといけないのか・・・。これから始まるであろう生活に恐怖を感じているとおもむろにSUGAさんがしゃがみ込み、先程噛み付いた私の首の傷に手を触れる。
「な、何を・・・」
SG「動くな」
彼に逆らえるはずもなく大人しくジッとしていると、触れられている部分が光り出す。と、同時に傷が塞がっていくような不思議な感覚がした。
「あ、えっ・・・」
SG「フッ、死なれたら面倒だからな。お前は俺たちの大事な食糧だ。せいぜい長く生きてもらうぞ」
改めて面と向かってはっきり“食糧”と言われ、いかに私が小さな存在だということが思い知らされる。
SG「これで俺の“食事”は終わりだ。・・・おい、もう入って来ていいぞ」
V「終わった?待ちくたびれたよ〜。・・・ヒヒッ。でもこれでやっと、僕もAちゃんの血が飲めるね」
「えっ・・・!」
そんな・・・。今血を吸われたところなのにまた吸血されるの・・・!?
140人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
樽美酒みき(プロフ) - 後どのくらいで「シリーズ3」の更新をやってくれますか? (2022年1月12日 11時) (レス) id: 86fc452f95 (このIDを非表示/違反報告)
竜の騎士(プロフ) - えりりんさん» わわ、読んで頂きありがとうございます!まだ形にはできていないですが、新作も考えているので楽しみにしてください^_^ (2021年12月25日 9時) (レス) id: 796a1a3707 (このIDを非表示/違反報告)
えりりん(プロフ) - この話ほんとに大好きで、リピして読んじゃいます‼︎また新作作って欲しいです☺︎ (2021年12月24日 0時) (レス) id: 1e51f37598 (このIDを非表示/違反報告)
童磨(プロフ) - 続きが気になります!! (2021年7月27日 20時) (レス) id: ce28b5a547 (このIDを非表示/違反報告)
高崎はる(プロフ) - 良かったです、バリは利樹がちょっと出たけど、更新楽しみにしてますね (2021年7月17日 19時) (レス) id: 7c69a541ff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:竜の騎士 | 作成日時:2021年7月16日 13時