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カリム「はい、どうぞ!この店自慢の料理、カルネです」
アリシア「わぁ……美味しそう」
目の前に置かれた料理を見て、私は感嘆の声をあげた。
だって、本当に美味しそう。
アリシア「これはカリム君が作ったの?」
カリム「あ、はい、僕が作りました。……っと言っても、これは母からの受け売りの料理ですが」
アリシア「それでも、作れるってすごいね。いただきます」
私は手を合わせてから料理を口に運んだ。
その料理は見た目以上に美味しかった。何だろう……食べたことのない味だ。
カリム「お口に合いましたか……?」
アリシア「うん、すっごく」
カリナ「そのカルネは、そこらのカルネとは違うんですよ。カリム特製の隠し味が加えてあるんですから」
声がして後ろを向くと、カリナさんがハーブを持って戻ってきていた。
そのハーブのツーンとした匂いが鼻をさした。
アリシア「隠し味?」
カリナ「それは言ってしまったら隠し味じゃなくなっちゃう。このお店だけの秘密です」
そういってカリナさんはフフっと笑った。
そして、ハーブを机の上に置くと何かを思い出したようにぽんっと手を叩いた。
カリナ「そうそう、アリシアさん。あなたを探してたって人が……」
「おい!アリシア!!」
その聞き覚えのある声に、ビクリと私の肩は跳ね上がった。大きな声に驚いたというのが理由の一つ、そして怒られるという恐怖がもう一つ。
アリシア「あ…ヴィトル……げ、元気?」
ヴィトル「元気?じゃねぇよ!何言ってるそばから迷子になってんだよ!探すの苦労したんだからな!!」
アリシア「ご、ごめんなさい………」
ヴィトル「ったく、とりあえず無事でよかった」
ヴィトルはそういって私の頭に手を置いた。
よほど心配をかけていたのだろうと思った、……申し訳なかったな。
すると、何を思ったのかピピが私の頭に置かれたヴィトルの手の上に止まった。
ヴィトル「アリシアを見つけたのはコイツなんだよ、よくあのクッキーから見つけたよな」
ピピ「ピピッ、ピルルリッ」
アリシア「そっか、ピピもありがとね」
そういうとピピはまたピルリッと鳴いて私とヴィトルの周りを飛び回った。
ヴィトル「あ、言っとくが迷子になったの許したわけじゃねぇから」
アリシア「うっ」
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作者名:セレーナ・ラフィーネ&しろーん x他1人 | 作成日時:2018年2月15日 15時