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私は顔を綻ばせた。
ヴィトル「だから、少し遠いがオレは北へ……
アリシア「勿論、私も行く」
ヴィトル「って言うと思ってたよ。それとな…これは俺の推測なんだが……商人が言ってた見覚えのない男って……アリシアが前に言ってたオスカー……って奴じゃねぇのか?って」
私はその言葉に目を見開く……
どういうこと、やっぱりヴァルターはオスカーと一緒にいた?
ヴィトル「そう思ったのには理由が一つある。その商人とは長い付き合いだからな、そいつの知り合いはだいたい知ってる……というか、そいつが紹介してくるんだ。んで、そいつが見覚えのない男だと言った。つまり、俺は知らねぇがヴァルターは知ってる奴……俺にはそれがオスカーしか思い浮かばねぇんだ」
2人は…何の目的で一緒に……?
それに…もしそれがオスカーなのだとしたら………オスカー、何で私を…置いていったの?何で何も言わずに……出ていってしまったの?
目に涙が浮かんだ時、目の前の扉がガラッと開いた。それに驚き、涙なんて引っ込んだ。
ヴィトル「あんま気にすんなよ、アリシアが気にすることなんて一つもねぇんだから。お前は、自分の事を第一に考えてればいいんだよ」
アリシア「そう…だよね、ありがとう」
やっぱり、ヴィトルの言葉は温かい感じがするな……
ヴィトル「んじゃ、早く支度して出発するぞー。さすがに…寝巻きでは行かねぇだろ?」
ヴィトルはそういってニヤリと笑った。その時、私は自分の置かれている状況を理解した。
アリシア「っ……で、出てってーー!!」
ヴィトル「うぉっ」
その後私はヴィトルを追い出し、支度を済ませてから宿の外に出た。
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作者名:セレーナ・ラフィーネ&しろーん x他1人 | 作成日時:2018年2月15日 15時