家に帰ろうと思ったら拉致されました 続【オリジナル】

54話 ページ7

ロンガ「？！」


後ろから獣の声が聞こえたと思ったら彼女が倒れていく所だった


ロンガ「っ！」ｶﾞｼｯ


間一髪で彼女の腕を掴む


ロンガ「…(何だったんださっきの大丈夫は)」


彼女の言葉を鵜呑みにしたことを恨みつつ


やけに心配している獣の背中に彼女を乗せてやった


獣「…(感謝する


この身はまだ慣れてなくてな)」



危なかった…と話す獣


……おそらく俺にしか聞こえていない


というか理解出来ないのだろうが



獣「ｶﾞﾙｯ(貴様こそ何故ここにいる


”本来の場所ではないだろう”」



試すような目で見てくる獣



…やはりこいつらにはバレてしまうか


ロンガ「(野暮用さ。


…それに俺の故郷はもうないからな)」


獣「ｸﾞﾙｯ(それもそうか。


悪いな。なら旅のものとでも呼んでおこう)」



ロンガ「(助かる。)」



そう。俺は本来ここにいないものだ



しかし、俺にはやらなくてはならない事がある



ロンガ「おい。秋人とやら」

秋人。彼女が怖がる人物


何故なのかは知らないが


まぁ、いけ好かない感じはするがな


秋人「なんだ」

振り向く


ロンガ「(いったい何を見ているんだ)」


瞳の奥 何も見ていないようにみえる目付き


ロンガ「…倒れたが」


秋人「？！」


なのに何故か彼女を捕らえようとしている



ロンガ「(彼女の何なのだろうかこの男)」


こんな事を気にして何のためになるのか



ロンガ「(俺らしくもない)」





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貴『…ん』


ふわふわと不思議な感覚がある



貴『(死んだのか 私は)』


苦しくもない


悲しくもない


……何も感じない



ここが地獄 もしくは天国なのか



「…が…」


「……らず」



貴『(何か聞こえる)』


ﾄﾝﾄﾝ


貴『(誰かが私を呼んでる)』


起きなきゃ



「””生きろ””」

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