家に帰ろうと思ったら拉致されました 続【オリジナル】

76話 （流血注意） ページ34

ｷﾞｨｨｨｨﾝ


目の前で剣と手裏剣がぶつかり合う



秋人「…っ！」


ｶﾀｶﾀと金属の音が響く


メケ「…面白くない


何で、その子ここにいるの」


貴『…』


ぱっと顔を上げると


秋人の背中


メケの


青い瞳


その美しい瞳が私を


蔑むように見る


私はその瞳から逃れられなかった


秋人「…」


秋人は何も語らない


めんどくさいとでも思っているのだろう


こんな


訳の分からない


貴『っ…』


怖い


苦しい


嫌だ


メケ「…ねぇ。


貴方もこんなやつ


生きてる価値なんてないと思わない？」


ぐっとメケが秋人に力を込める


秋人「…」


私はここに何故いるのだろう


貴『…』


何でそんなセリフをこの人に言われなくちゃならないのだろう


…私は好きでここにいるわけじゃない


でも


優しくしてくれた人がいるのに


信じてくれている人が


私にはいる


ジロ「主！！」





…悔しい


悔しいよ


秋人「…」


グツグツと何かが湧き上がってくる


メケ「…ふーん。」


怖い


体が震える


だけど


秋人「やぁっ！！」

ｶﾞｷｲｨｨﾝ


メケ「？！

くそっ」


突然秋人がメケを襲う


剣をメケの前に突き出す


メケは一瞬驚いたが立ち直し


秋人へ殺気を向ける


リル「…？なあーに？メケ


その子に決めたの？」


リルがこちらを見る


メケは苦しそうにしていたが


すぐ持ち直し秋人を襲う


ダイゴ「…よそ見はいかんのぉ！！」


ｷｨｨｨｲﾝ


リル「私とやるの？」ﾆﾔ


ダイゴ「(スキをつけたと思ったんだがな)」


ロンガ「…おい！！


そっちにいったら！！」


ロンガさんが叫ぶ


ゾンビ「ｩｸﾞｫｵ」 ｶﾞｧｧ…


溢れるようにゾンビたちが現れる


ジロ「ｶﾞｩｯ」


ロンガ「(くそっ)」ｼﾞｬｷｰﾝ


ゾンビ「ｩｸﾞｫｵ」



一人のゾンビがこっちくる


ゾンビ「ｶﾞｧｧｧｧｧｧｧ」


両手を上げ


こちらに


牙を


向けようとした


ｽﾞｼｬｯ


ゾンビ「…ｧ？」


そいつの頭はもう無い


他のゾンビ達も何やらキョロキョロしている


ロンガ「…！」


ロンガさんが目を見張る


貴『…』


私がしたその何か


貴『…うっ』


リセトさんの剣が赤く染まる


腹の中ではグルグルと変な音がする


でも


貴『(私だって、ここにいるんだから)』


怖い


恐ろしい


気持ち悪い


嫌だ


そんな気持ちが無いわけじゃない


だけど





貴『(そんなこと言ってられないから)』

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