家に帰ろうと思ったら拉致されました 続【オリジナル】

58話 ページ12

獣「……どうしてもダメなのか？」


くぅーんと子犬のような目でこちらを見る



……私の決心は変わらない




……でも


私はキッと獣ちゃんの方を見る




貴『…私が貴方を守れるようになるから



……守れるようになったその時に


獣ちゃんの意志が変わらないのなら







私と契約してくれますか？』


………



沈黙が続く


…中々辛いんだけど


……やっぱりダメかな


その時


ぶわわわっと獣ちゃんの毛が逆立つ


獣「当たり前じゃないか！！


私は待つぞ！いつまでだって待つ！！」


ぴょんぴょんと跳ねながら嬉しそうに言う獣ちゃん



え、可愛い


ミア「…あらあら。」ﾌﾌｯ


ロンガ「ﾌｯ」

ミアさんとロンガさんが微笑む


玲奈「…か、」


貴『か？』


玲奈「かっこいいっ！！」


玲奈がこっちをみて小刻みに揺れ


背中を反らし叫んでいる


はわわわと効果音がつきそうだ



ダイゴ「…やるじゃないか」


何やらみんなが騒がしいな


あれ？もしかして結構恥ずかしいことを言った？


ｶｧｰ


顔がどんどんと火照ってくるのが分かる



…恥ずかしい


？「…リョウカイイタシマシタ


…アルジサマ。ワタシモ


アラタメテヨロシクオネガイシマス」


丁寧に賢者の石の人もお願いしてくれている


貴『うん。こちらこそよろしくね！ あっ…そうだ


あなたの事はなんて呼べばいい？』


ずいっと顔を石に近づける


？「…クリス。


クリストオヨビクダサイ」


…クリス、ね


貴『了解！！クリス！よろしくね！』


クリス「ハイ。ヨロシクオネガイシマス」


獣「主(あるじ)とそう呼べばいいか？」


貴『え？まだ、私は貴方と契約できないから


なんでもいいよ』



獣「…いや。

私はもう主人を貴方と決めたからな


主か主人選んでくれ」


今更契約しないなんてないだろう？と獣ちゃんが聞いてくる


んー。まだ、そう言われたくないんだけどなぁ


貴『えー。』


獣「これは譲らんぞ」


貴『えー…』


ミア「決めてあげたら？


こんなに熱心に頼んでるんだもの」


ね？


とミアさんが可愛い笑顔でこちらを見る


貴『…じゃあ、主で』ｼﾌﾞｼﾌﾞ


獣「うむ。了解致した」


玲奈「名前は決めないの？」


貴『え？』


玲奈「その子の名前。


サーヴァンプならまだないんじゃない？」


そうだよね？秋人？


と玲奈が秋人の方へ向く


あ、秋人いたんだ


秋人は静かにうなづく


獣「私の名前つけてくださるか？」


貴『じゃあ…』

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