東方我烈伝 Cross of OrecaWorld 第１章―我界との交錯―（後編） (ページ10)

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第34話　残る我符の行方ページ10

―紅魔館・フランの部屋―

「…成程。異変にまで発展したのですね」

「一応『我界交錯異変』って名付けたわ。これは解決まで時間がかかりそうね」

双方の戦闘を終えた我符所有者６人は紅魔館地下にあるフランの部屋で話していた。レミリアは未だにショックなのか、自室に閉じ籠っている

「…でもさ、意外と多いよね、我符持ってる人」

「確かにそうですね。異変が始まってから６人も…」

「…いや、恐らくまだいる」

『え!?』

フランが何となく言った言葉に早苗が賛成した時、咲夜の我符モンスター『無幻銃士ダルタン』が語った事に、その場にいた幻想郷の少女は全員驚いた。しかし、オレカモンスターは皆、納得した表情になっていた

「…だよな」

「そうだとは思いましたが…」

「ちょっ…ちょっと待って！」

レオンやフロウが同意している中、霊夢が待ったをかけた

「仮にいるとして、それが誰か…教えて！誰がその我符所有者か分かるかもしれないから！」

「霊夢さん…」

霊夢の訴えにクフリンは動揺する…が、他の我符モンスターと共に少しずつ話し出した

「オレカ界には４つの大きな大陸がある。俺(バーン)とクフリンは南の大陸、フロウは北の大陸、ダルタンとロックは西の大陸、レオンは東の大陸出身なんだ」

「だが、少し前…オレカ界に『魔王』が現れた」

「各大陸に現れた魔王達は、圧倒的な力で大陸を支配しました」

「それに対し、全ての大陸で反乱軍が動き出した。その中心が、俺たちなんだ」

「自分で言うか？普通」

妹紅がロックの言った言葉につっこむが、それをスルーし、レオンが続けた

「中心は各大陸で二人…南と西はここにいる、クフリン、バーン、ダルタン、ロック。勿論北と東も二人いる」

「つまり、それらの大陸で残った二人が、我符モンスターである可能性が高いという事です」

「東の大陸のもう一人は、その地に広がる森を癒す風を操る勇者、『ハヤテ』」

「北のもう一人は、海の底に沈む神殿の守人である剣士、『ダンテ』」

「！その二人が…」

「残りの我符所有者…かもしれないんだね」

最後に出た名前にチルノは反応し、フランが締めくくった

「でも、ダンテは兎も角、ハヤテは文さん辺りじゃないですか？」

『風を操る程度の能力』を持つ文を我符所有者の可能性として挙げた早苗。だが、霊夢は反対した

「それは無いと思うわ。その理論で行ったらフロウとロックの我符所有者は河童と天人よ」

結局、所有者は分からないままだ