東方我烈伝 Cross of OrecaWorld 第１章―我界との交錯―（後編） (ページ22)

今日:10 hit、昨日:6 hit、合計:9,717 hit

最終話　幻想我郷ページ22

獄王閻魔との戦いから１ヶ月が経った。今となっては異変の事など皆忘れ…られる筈もない。今、この幻想郷で何が起きているのか、我符所有者を中心に観ていこう

―人里・寺子屋―

「慧音ー。いるかー」

「ああ。入っていいぞ」

その言葉を聞いて妹紅は慧音のいる部屋に入った

「どうしたんだ？最近は『二人とも』よく来るな」

「いいだろ、別に」

「来る度に何か起こるなら兎も角な」

いつの間にか起きていた変化、それは我符モンスターが我符所有者以外にも見えるようになったのだ。実際、今慧音にはバーンが見えている

「人里にモンスターを飼うやつが現れ始めたから、何も起きてないか確認してるんだが…お前もか」

「いやぁ、可愛くてつい、な」

慧音の膝上には『キャミネコ』が寝ていた。一部のモンスターの危険性の少なさが分かり出してから、人里でもオレカモンスターとの交流が増えたのだ。勿論、人里以外でも、だ

―紅魔館―

「おい！俺のクッキー返せ！」

「やーだよ！」

「捕まえてみなよ～」

「…クドラク、それでいいのか」

「さあ…」

紅魔館では、フランとこいしが『クドラク』の菓子を盗っていた。それを見て咲夜と『クルースニク』は脱力している

「あれほっといていいの？」

「いいんじゃないんですか？」

「関わらない方がいいな」

「同意」

「同じく」

チルノ、フロウ、ロック、ハヤテ、ダルタンの５人はスルー。こんな賑やかさが、今の紅魔館の普通だ

―博麗神社―

「霊符『夢想封印』！」

「なんの！恋符『マスタースパーク』！」

『おおっ！』

博麗神社では、見せ物として霊夢と魔理沙が弾幕ごっこをしていた。二人の弾幕が交差する度に歓声が飛ぶ

「弾幕ごっこってあんなに派手なんだな」

「へー、面白そう」

「私も初めて見た時は驚いたな」

「俺は今回が初めてだがな」

遠目からクフリンとダンテ、『真の勇者タンタ』に『棘騎士サエザー』も見ていた

「何ならやってみませんか？意外と出来るかもしれませんよ」

「我符モンスター全員出来てないのに良く言えるな、おい」

早苗とレオンも話に混ざる。人間、妖怪、そしてオレカモンスター。これらが共存する幻想郷―『幻想我郷』に、平和が訪れた。しかし、まだ戦いは始まったばかりである事を、誰も知らなかった…

東方我烈伝 Cross of OrecaWorld
第１章・我界との交錯完
第２章・復活の魔神軍に続く